40 歳男性。身長172 cm、体重70 kg。今回、生体腎移植を受けるために入…
40 歳男性。身長172 cm、体重70 kg。今回、生体腎移植を受けるために入院した。移植後の拒絶反応予防のために、以下の処方が開始された。(処方1 )タクロリムス水和物徐放性カプセル5 mg1 回2 カプセル(1 日2 カプセル)1 日1 回 朝食後 7 日分(処方2 )ミコフェノール酸モフェチルカプセル250 mg1 回4 カプセル(1 日8 カプセル)1 日2 回 朝夕食後 7 日分(処方3 )メチルプレドニゾロン錠4 mg 朝6 錠、昼2 錠(1 日8 錠)1 日2 回 朝昼食後 7 日分服薬開始後10 日目の服薬指導時、薬剤師に下痢の訴えがあった。訴えに対する薬剤師の薬学的管理事項として、誤っているのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ 口の渇き、尿量の変化を確認管理事項として適切です。下痢による脱水を評価するため、口の渇きや尿量の変化を確認します。
- ⑵ ミコフェノール酸モフェチルの血中濃度測定依頼を提案管理事項として適切です。ミコフェノール酸モフェチルは用量依存的に下痢を起こすため、血中濃度測定が有用です。
- ⑶ メチルプレドニゾロン錠の中止を提案誤った対応です。ステロイドは拒絶反応予防に必要で、下痢の原因とも考えにくく、急な中止は拒絶反応や副腎不全を招きます。
- ⑷ 症状軽減のために半夏瀉心湯エキス顆粒の処方提案管理事項として適切です。半夏瀉心湯は下痢の症状軽減に用いられることがあり、処方提案は考えられます。
- ⑸ 感染症確認のために便培養依頼を提案管理事項として適切です。免疫抑制下ではサイトメガロウイルスや細菌による腸炎の可能性があり、便培養を提案します。
解説
正解は⑶です。腎移植後の拒絶反応予防では、タクロリムス、ミコフェノール酸モフェチル、ステロイドを併用しており、メチルプレドニゾロンを薬剤師の判断で中止を提案するのは拒絶反応のリスクを高め誤りです。下痢に対しては、脱水の有無を確認するために口渇や尿量の変化をみます。ミコフェノール酸モフェチルは用量依存的に下痢を起こすため、血中濃度測定の提案が有用です。免疫抑制下では感染性腸炎の可能性もあるため便培養を提案し、症状緩和に半夏瀉心湯の提案も考えられます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198928.html)を加工して作成