PAL への切り替えについて薬剤師が医師に提案する内容として適切なのはどれか。2…
60 歳女性。統合失調症にて入院中。ハロペリドールと以下の併用薬による治療を受けていたが、手の震えなどの訴えが患者からあった。医師、薬剤師はアカシジアを疑った。医師との合同カンファレンスでハロペリドールをパリペリドン経口徐放錠(PAL)に切り替える方針となった。合同カンファレンス後、医師からPAL 6 mg、1 日1 回就寝前の処方を検討しているとの連絡があった。(併用薬)酸化マグネシウム錠 330 mg 1 回1 錠 (1 日2 錠)1 日2 回 朝夕食後ビペリデン塩酸塩錠1 mg 1 回1 錠むずむず、流涎あるとき 1 日3 回まで(合同カンファレンス直前検査値)AST 16 IU/L、ALT 13 IU/L、血清クレアチニン 0.66 mg/dL、空腹時血糖 115 mg/dL、HbA1c 6.2%、CCr 72 mL/min(PAL の添付文書に記載された情報)注)本剤は、浸透圧を利用した放出制御システム(OROS)を応用した、パリペリドンの放出制御型の徐放錠である。規格は3 mg、6 mg、9 mg。
PAL への切り替えについて薬剤師が医師に提案する内容として適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 服用は朝食後とする。パリペリドン徐放錠は1日1回朝食後に服用する薬で、空腹時では吸収が低下するため、朝食後への変更を提案します。
- ⑵ 統合失調症の悪化に備えリスペリドンを追加する。リスペリドンは体内でパリペリドンに代謝される前駆体であり、追加すると同一成分の重複投与となります。
- ⑶ 切り替えは低用量の3 mg から開始する。クレアチニンクリアランス50以上80 mL/min未満の軽度腎機能障害では、1日3 mgから開始します。
- ⑷ 酸化マグネシウムは他剤に変更する。酸化マグネシウムとパリペリドン徐放錠の間に、変更が必要となるような相互作用はありません。
- ⑸ 服用開始後2 日目に1 日用量の評価を行う。パリペリドンは定常状態に達するのに数日を要し、増量は5日以上の間隔をあけて行うため、2日目の評価は早すぎます。
解説
正解は⑴と⑶です。パリペリドン徐放錠は、添付文書上1日1回朝食後に服用する薬で、空腹時に服用すると吸収が低下するため、就寝前ではなく朝食後への変更を提案します。また、通常は6 mgから開始しますが、この患者はクレアチニンクリアランスが72 mL/minで軽度の腎機能障害に該当し、パリペリドンは主に腎排泄されるため、3 mgから開始することが推奨されます。リスペリドンはパリペリドンの前駆体で、併用すると重複投与となります。増量の判断は5日以上の間隔をあけて行います。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成