当該研究に関して倫理審査委員会に提出する申請書類を作成する際に、遵守することが求…
ある薬局で、服薬指導の内容と服薬アドヒアランスとの関係を明らかにするために、この薬局で過去5 年間に降圧薬を調剤された成人患者を対象として、薬歴を用いて後ろ向きに調査を行い、学会発表することを計画している。研究に用いるデータは、患者名はわからないように集計、解析する予定である。調査対象となる患者全員に個別に説明し同意を取得するのは困難なので、研究概要の薬局内へのポスター掲示と薬局ホームページへの掲載によりいつでも質問を受け付けることができるようにすることで、倫理審査委員会の承認を受ける予定である。なお、この研究にかかる費用はこの薬局で負担することとした。
当該研究に関して倫理審査委員会に提出する申請書類を作成する際に、遵守することが求められるのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ 医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令GCP省令は治験を実施する際の基準で、薬歴を用いた観察研究には適用されません。
- ⑵ 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針人を対象とする観察研究は、人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針に従って行います。
- ⑶ 医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施の基準に関する省令GLP省令は動物などを用いた非臨床の安全性試験に適用される基準で、この研究とは関係しません。
- ⑷ 日本薬局方日本薬局方は医薬品の品質の基準を定めたもので、研究倫理の審査とは関係しません。
- ⑸ 臨床研究法臨床研究法は医薬品等を人に投与する介入研究が対象で、既存の薬歴を用いる観察研究は対象外です。
解説
正解は⑵です。薬歴などの既存情報を用いて人を対象に行う観察研究は、「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」に従って計画し、倫理審査委員会の審査を受けます。医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(GCP)は治験に適用され、非臨床試験の実施の基準に関する省令(GLP)は動物などを用いた安全性試験に適用されます。臨床研究法は、医薬品等を人に投与してその有効性や安全性を明らかにする臨床研究が対象で、今回のような観察研究は対象外です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198928.html)を加工して作成