68 歳女性。夕方買い物に出かけた際に転倒し、救急車で整形外科病院に搬送された。…
68 歳女性。夕方買い物に出かけた際に転倒し、救急車で整形外科病院に搬送された。(入院時検査値)血圧142/93 mmHg、LDL-C 134 mg/dL、eGFR 60.5 mL/min/1.73 m²下半身の痛みを訴えており、自力で立つことができない状態であった。レントゲン検査の結果、大腿骨頸部骨折と診断され、緊急で骨接合術が実施されることになった。主治医よりこの患者の服薬状況について、確認依頼があった。そこで薬剤師は、患者が携帯していたお薬手帳より、現在の内服薬の情報を入手した。(お薬手帳の内容)エルデカルシトールカプセル0.5 μg 1 回1 カプセル 1 日1 回 朝食後ラロキシフェン塩酸塩錠60 mg 1 回1 錠 1 日1 回 朝食後アムロジピン錠5 mg 1 回1 錠 1 日1 回 朝食後ロスバスタチン錠2.5 mg 1 回1 錠 1 日1 回 朝食後スボレキサント錠15 mg 1 回1 錠 1 日1 回 就寝直前術後、完全に歩行可能になるまで服用を中止すべき内服薬はどれか。1つ選べ。
- ⑴ エルデカルシトールカプセルエルデカルシトールは活性型ビタミンD3製剤で、長期臥床に伴って服用を中止すべき規定はありません。
- ⑵ ラロキシフェン塩酸塩錠ラロキシフェンは静脈血栓塞栓症のリスクがあるため、長期不動状態では服用を中止し、完全に歩行可能になってから再開します。
- ⑶ アムロジピン錠アムロジピンは降圧薬で、術後の歩行困難を理由に中止すべき規定はありません。血圧に応じて継続を判断します。
- ⑷ ロスバスタチン錠ロスバスタチンは脂質異常症の治療薬で、長期臥床を理由に中止すべき規定はありません。
- ⑸ スボレキサント錠スボレキサントは不眠症治療薬で、歩行可能になるまで中止すべきという規定はありません。
解説
正解は⑵です。ラロキシフェンは選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)で、重大な副作用として深部静脈血栓症や肺塞栓症などの静脈血栓塞栓症があります。手術後や長期の安静・臥床は静脈血栓のリスクを高めるため、添付文書では長期不動状態に入る3日前には服用を中止し、完全に歩行可能になるまでは再開しないこととされています。エルデカルシトール、アムロジピン、ロスバスタチン、スボレキサントには、このような長期不動に関する服用中止の規定はありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198928.html)を加工して作成