アデノシンの作用に影響を及ぼすため、この心筋血流シンチグラフィ実施前日の夕方から…
73 歳男性。脳梗塞後片麻痺の後遺症がある。最近、動悸や息切れを感じて近医を受診し、急性冠症候群の疑いで総合病院を紹介された。トレッドミル、自転車エルゴメータは困難であったことから、精査目的で、塩化タリウム(²⁰¹Tl)注射液(1 回 74 MBq)及びアデノシン注射液を使用した心筋血流シンチグラフィを行うこととなった。
アデノシンの作用に影響を及ぼすため、この心筋血流シンチグラフィ実施前日の夕方から服用を避けるべき薬物はどれか。2つ選べ。
- ⑴ ワルファリンワルファリンは抗凝固薬で、アデノシンの作用に影響を及ぼさないため、休薬の必要はありません。
- ⑵ チザニジンチザニジンは中枢性筋弛緩薬で、アデノシンの冠血管拡張作用に影響を及ぼしません。
- ⑶ テオフィリンテオフィリンはアデノシン受容体を遮断してアデノシンの作用を減弱させるため、検査前に服用を避けます。
- ⑷ プレガバリンプレガバリンは神経障害性疼痛の治療薬で、アデノシンの作用には影響しません。
- ⑸ ジピリダモールジピリダモールはアデノシンの細胞内取り込みを阻害して作用を増強させるため、検査前に服用を避けます。
解説
正解は⑶と⑸です。アデノシンはアデノシンA2A受容体を刺激して冠動脈を拡張させ、負荷心筋血流シンチグラフィの薬剤負荷に用いられます。テオフィリンなどのキサンチン誘導体はアデノシン受容体を遮断するため、アデノシンの作用を減弱させ、検査精度を低下させます。ジピリダモールはアデノシンの細胞内への取り込みを阻害して血中濃度を高め、作用を増強して過度の副作用を起こすおそれがあります。そのため、両者は検査前に服用を避けます。ワルファリン、チザニジン、プレガバリンは影響しません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成