処方3 の開始にあたり、病棟薬剤師の対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。
75 歳男性。慢性胃炎の既往がある。2 年前に脳梗塞を発症し、それ以来、処方1 及び処方2 の薬剤を継続的に服用している。(処方1 )ワルファリンカリウム錠1 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 28 日分(処方2 )レバミピド錠100 mg 1 回1 錠(1 日3 錠)1 日3 回 朝昼夕食後 28 日分咳と嗄声が続き、血痰を認めたため近医を受診し、胸部X 線で右肺腫瘤を指摘された。総合病院呼吸器内科を紹介受診し、入院して精査した結果、Stage ⅣB の非小細胞肺がん(腺がん)と診断された。遺伝子検査も実施され、EGFR 遺伝子変異陽性と判明した。パフォーマンスステータス(PS)1 。患者に喫煙歴はなく、機会飲酒のみ。外来通院治療を強く希望したため、ゲフィチニブ(処方3 )での治療を開始することになり、処方1 、処方2 とも総合病院で一括して処方することになった。(処方3 )ゲフィチニブ錠250 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 14 日分状態が安定したら退院し、処方1 ~3 の薬剤での治療を継続する予定である。
処方3 の開始にあたり、病棟薬剤師の対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ ゲフィチニブによる手足症候群を予防するため、レボフロキサシンの追加を医師に提案する。ゲフィチニブで注意すべきは皮疹やざ瘡様皮膚炎、下痢、肝障害などで、レボフロキサシンを手足症候群の予防に用いることはありません。
- ⑵ レバミピドをオメプラゾールに変更するよう医師に処方提案する。オメプラゾールなどのPPIは胃内pHを上げてゲフィチニブの溶解性と吸収を低下させるため、変更は不適切です。
- ⑶ プロトロンビン時間が延長する可能性があるので、ワルファリンカリウムの用量調節を医師に提案する。ゲフィチニブとワルファリンの併用でプロトロンビン時間の延長が報告されており、用量調節の提案が必要です。
- ⑷ 退院後の服薬時に息切れ、呼吸困難、発熱などの症状が現れたらすぐに受診するよう、患者に説明する。ゲフィチニブは間質性肺疾患を起こすことがあるため、呼吸器症状や発熱が出たらすぐ受診するよう説明します。
- ⑸ ゲフィチニブの効果を減弱させる可能性があるため、グレープフルーツジュースの摂取を避けるよう患者に説明する。グレープフルーツジュースはCYP3A4を阻害してゲフィチニブの血中濃度を上昇させるおそれがあり、効果を減弱させるわけではありません。
解説
正解は⑶と⑷です。ゲフィチニブとワルファリンの併用でプロトロンビン時間の延長や出血が報告されているため、INRを確認しながらワルファリンの用量調節を医師に提案します。また、ゲフィチニブは重大な副作用として間質性肺疾患を起こすことがあり、息切れ・呼吸困難・発熱などが現れたらすぐに受診するよう説明します。ゲフィチニブは胃内pHが上がると溶解性が低下して吸収が減るため、PPIへの変更は避けます。グレープフルーツジュースはCYP3A4を阻害し、ゲフィチニブの血中濃度をむしろ上昇させます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198928.html)を加工して作成