この患者の病態と治療に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
75 歳男性。慢性胃炎の既往がある。2 年前に脳梗塞を発症し、それ以来、処方1 及び処方2 の薬剤を継続的に服用している。(処方1 )ワルファリンカリウム錠1 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 28 日分(処方2 )レバミピド錠100 mg 1 回1 錠(1 日3 錠)1 日3 回 朝昼夕食後 28 日分咳と嗄声が続き、血痰を認めたため近医を受診し、胸部X 線で右肺腫瘤を指摘された。総合病院呼吸器内科を紹介受診し、入院して精査した結果、Stage ⅣB の非小細胞肺がん(腺がん)と診断された。遺伝子検査も実施され、EGFR 遺伝子変異陽性と判明した。パフォーマンスステータス(PS)1 。患者に喫煙歴はなく、機会飲酒のみ。外来通院治療を強く希望したため、ゲフィチニブ(処方3 )での治療を開始することになり、処方1 、処方2 とも総合病院で一括して処方することになった。(処方3 )ゲフィチニブ錠250 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 14 日分状態が安定したら退院し、処方1 ~3 の薬剤での治療を継続する予定である。
この患者の病態と治療に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 肺野部に発生することが多いがんである。腺がんは肺の末梢(肺野部)に発生することが多い組織型です。
- ⑵ 発症前と同じ日常生活が制限なく行える。PS 1は、肉体的に激しい活動は制限されるが歩行や軽作業はできる状態で、発症前と同じ生活が制限なく行えるのはPS 0です。
- ⑶ 他臓器に遠隔転移している。StageⅣBは、複数臓器への多発遠隔転移がある状態を示します。
- ⑷ 手術での根治切除が可能である。遠隔転移のあるStageⅣの非小細胞肺がんは、手術による根治切除の適応ではなく、薬物療法が中心となります。
- ⑸ 腫瘍マーカーとして、SCC 抗原(squamous cell carcinoma related antigen)が用いられる。SCC抗原は扁平上皮がんの腫瘍マーカーで、腺がんではCEAやSLXなどが用いられます。
解説
正解は⑴と⑶です。腺がんは非小細胞肺がんで最も多い組織型で、肺の末梢である肺野部に発生することが多く、非喫煙者や女性にも多くみられます。病期ⅣBは複数臓器への遠隔転移がある状態で、手術による根治切除の適応はなく、薬物療法が中心となります。この患者はEGFR遺伝子変異陽性のため、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬が選択されています。PS 1は軽作業は可能だが激しい活動は制限される状態です。SCC抗原は扁平上皮がんの腫瘍マーカーで、腺がんではCEAなどが用いられます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198928.html)を加工して作成