患者の服薬遵守状況が良好でなく、治療効果が十分得られていないことを医師に報告し、…
67 歳女性。既往歴及び服薬歴はない。大腿骨近位部骨折のため、1 ケ月間入院加療することになった。入院時の大腿骨骨密度は、若年成人平均値(YAM)の65%であり、血清カルシウム値9.6 mg/dL、血清リン値3.5 mg/dL であった。退院時に以下の治療薬が処方された。(処方1 )リセドロン酸Na 錠17.5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 起床時 4 日分(1 週間に一度)(処方2 )エルデカルシトール錠0.75 μg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 28 日分約1 ケ月後に同病院の診察前の薬剤師外来にて服薬について患者にインタビューしたところ、服用を大変面倒と感じており、飲み忘れることが時々あるとのことであった。残薬を持参するよう患者に伝えたが、その後の外来受診でも持参しなかった。退院から約半年経過してようやく持参した薬剤を確認したところ、リセドロン酸ナトリウム錠は10 錠、エルデカルシトール錠は50 錠の残薬が認められた。
患者の服薬遵守状況が良好でなく、治療効果が十分得られていないことを医師に報告し、薬剤の変更などの提案を行うことになった。提案として適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ リセドロン酸ナトリウム錠をラロキシフェン塩酸塩錠に変更ラロキシフェンは1日1回服用の薬で、週1回製剤から変えるとかえって服用回数が増え、アドヒアランスの改善になりません。
- ⑵ メナテトレノンカプセルの追加メナテトレノンは1日3回服用のため、追加すると服用の手間がさらに増えてしまいます。
- ⑶ リセドロン酸ナトリウム錠を月1 回服用製剤に変更月1回服用製剤に変更すると服用回数が減り、飲み忘れの改善が期待できます。
- ⑷ リセドロン酸ナトリウム錠からテリパラチド皮下注(1 日1 回)自己注射に変更テリパラチドの1日1回の自己注射は、服用を面倒に感じている患者にとってさらに負担が大きくなります。
- ⑸ リセドロン酸ナトリウム錠からデノスマブ皮下注(6 ケ月1 回)に変更デノスマブは6か月に1回の皮下注射で、自己管理の負担がなく確実に投与できます。
解説
正解は⑶と⑸です。この患者は服用を面倒に感じて飲み忘れが多く、残薬も多いことから、服用回数を減らす提案が有効です。リセドロン酸を月1回服用製剤に変更すれば、服用の手間が大きく減ります。また、6か月に1回の皮下注射であるデノスマブに変更すれば、自分で服用を管理する必要がなくなり、確実に治療を続けられます。ラロキシフェンは1日1回の服用で手間は減らず、メナテトレノンの追加は服用回数が増えます。テリパラチドの毎日の自己注射も負担が大きくなります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198928.html)を加工して作成