この来局者の病態に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
65 歳男性。毎年2 月から6 月頃にかけて、鼻水、くしゃみ、鼻づまりの症状に悩むため、2 月になり、一般用医薬品購入のため、来局した。初めての来局だったので、聞き取りを行い、以下の情報が得られた。・出勤や訪問などの外出時に、くしゃみや鼻水がひどくなるが、その症状に対する薬は飲んだことがない。・数年前に市販の花粉症に対する内服薬を購入したことがあるが、品名は忘れた。・就寝時布団に入り暖まると、鼻づまりがひどくなり、寝つきが悪くなることが多い。・仕事で週に2 ~3 回、社用車を運転して取引先を訪問することがある。・泌尿器科クリニックで前立腺肥大症と診断され、治療を受けている。・頻尿と残尿感を改善する内服薬を1 日1 回夕食後に服用している。ただし、薬剤名は不明である。
この来局者の病態に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 鼻閉には、鼻粘膜における血管透過性の亢進が関与している。ヒスタミンやロイコトリエンなどにより鼻粘膜の血管透過性が亢進して粘膜が腫れることが、鼻閉の原因となります。
- ⑵ 免疫複合体が鼻粘膜に沈着して発症した。免疫複合体の沈着はⅢ型アレルギーの機序です。花粉症はIgEを介するⅠ型アレルギーです。
- ⑶ 鼻汁中の好酸球が減少している。アレルギー性鼻炎では鼻汁中の好酸球が増加し、診断の手がかりになります。
- ⑷ 症状の原因を特定するには、スクラッチテストが有用である。スクラッチテストは皮膚に抗原を作用させて反応をみる検査で、原因抗原の特定に有用です。
- ⑸ 通年性に、鼻粘膜の腫脹が認められる可能性が高い。症状は2〜6月に限られており季節性の花粉症と考えられるため、通年性に鼻粘膜の腫脹がみられる可能性は低いです。
解説
正解は⑴と⑷です。この来局者は毎年2〜6月に症状が出ることから、スギやヒノキの花粉によるアレルギー性鼻炎(花粉症)と考えられます。花粉症はIgEを介するⅠ型アレルギーで、肥満細胞から放出されるヒスタミンやロイコトリエンなどにより、鼻粘膜の血管透過性が亢進して浮腫が生じ、鼻閉が起こります。原因抗原の特定にはスクラッチテストや血清特異的IgE抗体検査が有用です。鼻汁中の好酸球は増加し、症状は季節性に現れます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198928.html)を加工して作成