薬剤師が医師に提案する解毒薬として適切なのはどれか。2つ選べ。
2 歳8 ケ月女児。1 週間前から腹痛を訴えることがあり、今朝になって、嘔吐したため、近医を受診した。母親からの聞き取りでは、日頃から鉛を含む金属製アクセサリーを舐める癖があり、誤飲したおそれがあるとのことであった。レントゲン検査では異物は見当たらなかった。尿中の δ-アミノレブリン酸濃度は10 mg/L と高値であった。また、血液検査では有核赤血球数の増加がみられ、赤血球遊離プロトポルフィリン濃度は180 μg/dL(基準値30~86 μg/dL)、原子吸光光度計で測定した血中鉛濃度は75 μg/dL であった。
薬剤師が医師に提案する解毒薬として適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ EDTA カルシウム二ナトリウムEDTAカルシウム二ナトリウムは鉛とキレートを形成して尿中排泄を促す、鉛中毒の代表的な解毒薬です。
- ⑵ ホメピゾールホメピゾールはアルコール脱水素酵素を阻害する薬で、エチレングリコールやメタノール中毒に用います。
- ⑶ メチレンブルーメチレンブルーはメトヘモグロビンを還元する薬で、メトヘモグロビン血症の治療に用います。
- ⑷ 亜硝酸アミル亜硝酸アミルはメトヘモグロビンを生成させてシアンを結合させる、シアン中毒の解毒薬です。
- ⑸ ジメルカプロール(BAL)ジメルカプロール(BAL)はSH基で重金属と結合するキレート剤で、重症の鉛中毒ではEDTAと併用されます。
解説
正解は⑴と⑸です。この女児は、鉛を含むアクセサリーを舐める習慣、尿中δ-アミノレブリン酸と赤血球遊離プロトポルフィリンの上昇、血中鉛濃度75 μg/dLから、鉛中毒と考えられます。鉛はヘム合成酵素を阻害します。鉛中毒の解毒には、キレート剤のEDTAカルシウム二ナトリウムとジメルカプロール(BAL)が用いられ、小児の重症例では両者を併用することがあります。ホメピゾールはメタノール等の中毒、メチレンブルーはメトヘモグロビン血症、亜硝酸アミルはシアン中毒に使います。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198928.html)を加工して作成