処方を設計する際に、検討すべきこととして適切なのはどれか。2つ選べ。
50 歳男性。慢性腎臓病ステージ3b。脳梗塞急性期で経口摂取できず、3 日間末梢静脈栄養を投与していたが、栄養不足が懸念されることから、主治医より完全静脈栄養(Total Parenteral Nutrition:TPN)の処方設計について薬剤師に相談があり、協働して実施することになった。
処方を設計する際に、検討すべきこととして適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 腎機能への影響を考慮し、分岐鎖アミノ酸(BCAA)を投与する。腎不全用アミノ酸製剤はBCAAなどの必須アミノ酸を多く含み、尿素窒素の産生を抑えつつ栄養を補給できます。
- ⑵ 低リン血症のリスクがあるため、リン酸二カリウム製剤を投与する。慢性腎臓病ではリンの排泄が低下して高リン血症になりやすく、カリウムも蓄積しやすいため、リン酸二カリウム製剤の投与は慎重であるべきです。
- ⑶ 代謝性アルカローシスのリスクがあるため、生理食塩液や塩化カリウム製剤を投与する。慢性腎臓病では酸の排泄が低下し代謝性アシドーシスになりやすいです。アルカローシスを想定した塩化物の投与は適切ではありません。
- ⑷ 低カルシウム血症のリスクがあるため、活性型ビタミンD3 製剤を投与する。腎機能低下によりビタミンDの活性化が障害され低カルシウム血症を起こしやすいため、活性型ビタミンD3製剤を検討します。
- ⑸ 腎不全が進行した場合、カリウム製剤を積極的に投与する。腎不全が進行するとカリウムの排泄が低下して高カリウム血症になりやすいため、カリウム製剤は制限します。
解説
正解は⑴と⑷です。腎機能が低下した患者のTPNでは、窒素代謝物の蓄積を抑えるため、必須アミノ酸や分岐鎖アミノ酸(BCAA)を多く含む腎不全用アミノ酸製剤の使用を検討します。また、慢性腎臓病では腎臓でのビタミンDの活性化が低下して低カルシウム血症を起こしやすいため、活性型ビタミンD3製剤の投与を検討します。一方、腎機能低下では高リン血症・高カリウム血症・代謝性アシドーシスに傾くため、リンやカリウムの積極的な補充は避けます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198928.html)を加工して作成