この化学療法を選択するにあたり、参照されたコンパニオン診断の検査項目はどれか。1…
55 歳女性。身長162 cm、体重51 kg。腹痛と微熱が続くため総合病院内科を受診した。来院時の体温37.6 ℃。血液検査で炎症所見、及び左下腹部に圧痛をともなう腫瘤が認められたため精査目的で入院となり、直腸がんStage Ⅳb と診断された。コンパニオン診断が実施され、その結果をもとにmFOLFOX6 (レボホリナート、フルオロウラシル、オキサリプラチン)にセツキシマブを組合せた治療を実施する方針となった。
この化学療法を選択するにあたり、参照されたコンパニオン診断の検査項目はどれか。1つ選べ。
- ⑴ ALK 融合遺伝子ALK融合遺伝子は、非小細胞肺がんでクリゾチニブなどのALK阻害薬を選択する際の検査項目です。
- ⑵ EGFR 遺伝子EGFR遺伝子変異検査は、非小細胞肺がんでEGFRチロシンキナーゼ阻害薬を選択する際に用います。抗EGFR抗体薬の選択ではRAS遺伝子を調べます。
- ⑶ HER2 タンパク質HER2タンパク質の検査は、乳がんや胃がんでトラスツズマブなどの抗HER2薬を選択する際に用います。
- ⑷ RAS 遺伝子抗EGFR抗体薬のセツキシマブは、RAS遺伝子に変異のない野生型の大腸がんに使用するため、RAS遺伝子検査が参照されます。
- ⑸ UGT1A1 遺伝子UGT1A1遺伝子多型の検査は、イリノテカンの重篤な副作用リスクを予測するために行うもので、この治療とは関係しません。
解説
正解は⑷です。セツキシマブは抗EGFR抗体薬であり、大腸がんではRAS遺伝子(KRAS・NRAS)に変異があると、EGFRの下流のシグナルが常に活性化しているため効果が期待できません。そのため、投与前にコンパニオン診断としてRAS遺伝子変異検査を行い、変異のない野生型であることを確認します。ALK融合遺伝子は非小細胞肺がんのALK阻害薬、HER2は乳がんや胃がんのトラスツズマブ、UGT1A1はイリノテカンの副作用予測に用いる検査です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198928.html)を加工して作成