48 歳男性。身長174 cm、体重52 kg。慢性骨髄性白血病、高血圧、消化性…
48 歳男性。身長174 cm、体重52 kg。慢性骨髄性白血病、高血圧、消化性潰瘍並びに脂質異常症と診断され、これまで処方1 及び処方2 にて治療していた。今回、イマチニブ錠にて効果不十分であったため、ニロチニブ塩酸塩水和物カプセルに変更になり、処方3 ~5 の処方箋を持参し来局した。【前回までの処方】(処方1 )テルミサルタン錠40 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)プラバスタチンNa 錠10 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)イマチニブ錠100 mg 1 回4 錠(1 日4 錠)1 日1 回 朝食後 14 日分(処方2 )ファモチジン錠20 mg 1 回2 錠(1 日2 錠)1 日1 回 就寝前 14 日分【今回の処方】(処方3 )テルミサルタン錠40 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)プラバスタチンNa 錠10 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 14 日分(処方4 )ニロチニブ塩酸塩水和物カプセル200 mg1 回2 カプセル(1 日4 カプセル)1 日2 回朝・夕食後 14 日分(処方5 )ファモチジン錠20 mg 1 回2 錠(1 日2 錠)1 日1 回 就寝前 14 日分(検査値)血圧125/72 mmHg、赤血球410 × 10⁴/μL、白血球4,600/μL、総コレステロール202 mg/dL、HDL-C 55 mg/dL、LDL-C 90 mg/dL、TG 105 mg/dL薬局薬剤師の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ テルミサルタン錠から、アムロジピン錠への変更を提案する。テルミサルタンとニロチニブに問題となる相互作用はなく、血圧も良好なので変更の必要はありません。
- ⑵ プラバスタチン錠から、シンバスタチン錠への変更を提案する。ニロチニブはCYP3A4を阻害するため、CYP3A4で代謝されるシンバスタチンへの変更は不適切です。
- ⑶ ニロチニブ塩酸塩水和物カプセルの用法を食後2 時間以降に変更を提案する。食事により吸収が増加して副作用が強まるおそれがあるため、食後2時間以降などの空腹時に服用します。
- ⑷ ファモチジン錠から、エソメプラゾールカプセルへの変更を提案する。PPIは胃内pHを上げてニロチニブの溶解性と吸収を低下させるため、エソメプラゾールへの変更は不適切です。
- ⑸ 心電図検査の実施の有無を確認する。ニロチニブはQT間隔延長を起こすことがあるため、心電図検査の実施状況を確認する必要があります。
解説
正解は⑶と⑸です。ニロチニブは食事によって吸収が増加し、血中濃度が上がってQT延長などの副作用が強まるおそれがあるため、食事の1時間以上前か食後2時間以降に服用します。そのため食後服用の処方は用法の変更を提案します。また、ニロチニブはQT間隔延長を起こすことがあるため、投与開始前と投与中に心電図検査を行う必要があり、その実施を確認します。シンバスタチンはCYP3A4で代謝されるため相互作用の点で不利で、PPIはニロチニブの吸収を低下させる点も重要です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成