この患者に対して禁忌ではなく、併用療法として用いることができる薬物はどれか。1つ…
50 歳男性。会社員。人事異動で1 年前に本社の営業課長を命じられた。しかし仕事に順応できず、ストレス、不安感及び過食が3 ケ月続いた。上司のすすめもあり心療内科を受診し、うつ病と診断され以下の処方1 で治療中である。(処方1 )エスシタロプラム錠20 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 夕食後 28 日分内服開始後、特に副作用は現れていないが、十分な効果が認められないため、医師は処方に新たに薬剤を追加して併用療法を行いたいと考えている。なお、男性は現在排尿障害を伴う前立腺肥大症で処方2 を内服中である。(処方2 )デュタステリドカプセル0.5 mg 1 回1 カプセル(1 日1 カプセル)1 日1 回 朝食後 28 日分
この患者に対して禁忌ではなく、併用療法として用いることができる薬物はどれか。1つ選べ。
- ⑴ アミトリプチリン三環系抗うつ薬で強い抗コリン作用をもち、前立腺疾患などによる尿閉の患者には禁忌です。
- ⑵ アリピプラゾール抗うつ薬で効果不十分なうつ病への併用の適応があり、抗コリン作用が乏しく排尿障害を悪化させにくい薬です。
- ⑶ マプロチリン四環系抗うつ薬で抗コリン作用をもち、尿閉(前立腺疾患など)のある患者には禁忌です。
- ⑷ ミルナシプランSNRIでノルアドレナリンを増やし尿道括約筋を収縮させるため、前立腺疾患などによる尿閉の患者には禁忌です。
- ⑸ クロミプラミン三環系抗うつ薬で抗コリン作用が強く、尿閉のある患者には禁忌です。
解説
正解は⑵です。エスシタロプラムで効果が不十分なうつ病に対して、アリピプラゾールは抗うつ薬との併用療法(増強療法)の適応をもち、抗コリン作用もほとんどないため、排尿障害を伴う前立腺肥大症の患者にも使用できます。一方、三環系のアミトリプチリン・クロミプラミンや四環系のマプロチリンは抗コリン作用により尿閉を悪化させるため、尿閉のある患者には禁忌です。SNRIのミルナシプランもノルアドレナリンの増加で尿道を収縮させるため、尿閉の患者に禁忌です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成