76 歳男性。2 週間後に食道がんの全摘出手術を施行予定である。この患者は3年前…
76 歳男性。2 週間後に食道がんの全摘出手術を施行予定である。この患者は3年前に、せん妄を発症した経験があるため、担当医は入院中のせん妄発症リスクが高いと考えている。外来受診時に、当該患者より担当医に「1 週間前から、夜眠れない日が続いており、疲れがたまっています。」との訴えがあった。担当医は、せん妄発症リスクの低い睡眠薬の処方を検討している。当該患者は、これまで睡眠薬及び抗不安薬を服薬していないことを確認している。担当医から病棟担当薬剤師に、この件について処方薬の相談があった。薬剤師が提案すべき薬物として、適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ ラメルテオンラメルテオンはメラトニン受容体作動薬で、せん妄を起こしにくく、高リスク患者に適しています。
- ⑵ ゾルピデム酒石酸塩ゾルピデムはGABAA受容体のベンゾジアゼピン結合部位に作用し、高齢者でせん妄を起こすおそれがあります。
- ⑶ ブロチゾラムブロチゾラムはベンゾジアゼピン系睡眠薬で、せん妄のリスクを高めます。
- ⑷ スボレキサントスボレキサントはオレキシン受容体拮抗薬で、せん妄のリスクが低く、高リスク患者に適しています。
- ⑸ リルマザホン塩酸塩水和物リルマザホンはベンゾジアゼピン系のプロドラッグで、せん妄のリスクを高めます。
解説
正解は⑴と⑷です。せん妄の既往があり発症リスクの高い高齢者では、せん妄を誘発しやすいベンゾジアゼピン受容体作動薬を避けることが勧められます。ラメルテオンはメラトニン受容体作動薬、スボレキサントはオレキシン受容体拮抗薬で、いずれもGABAA受容体に作用せず、せん妄のリスクが低いとされ、せん妄の予防効果も報告されています。ゾルピデムは非ベンゾジアゼピン系ですがGABAA受容体に作用し、ブロチゾラムとリルマザホンはベンゾジアゼピン系のため、せん妄のリスクを高めます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198925.html)を加工して作成