この男性に医療機関への受診勧奨を行ったところ、「今でも年金でぎりぎりの生活をして…
60 歳代の男性が薬剤師会が主催する健康相談会にやってきた。相談内容は以下のとおりである。「昔一緒に働いていた友人が悪性中皮腫っていうがんになった。アスベスト(石綿)が原因だと聞いた。最近、自分も同じような症状がでてきて心配だ。」
この男性に医療機関への受診勧奨を行ったところ、「今でも年金でぎりぎりの生活をしているのに治療費まで出せないよ」と言われ、薬剤師は、「アスベストが原因での病気の治療は、公費負担医療制度の対象になる可能性がある」と説明した。公費負担医療制度の内容として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 税金を基礎として医療費給付を行う。公費負担医療制度は、税金を財源として医療費を給付する制度です。
- ⑵ 高額な医療が必要と判断された場合に利用する。公費負担医療の対象は特定の疾病や対象者の要件で決まり、医療費が高額かどうかで判断するものではありません。
- ⑶ 国や地方自治体が運用する。公費負担医療制度は、国や地方自治体が運用しています。
- ⑷ 社会保険方式による制度である。社会保険方式は保険料を財源とする医療保険の仕組みで、税金を財源とする公費負担医療とは異なります。
- ⑸ 保険薬局であれば、どこでも取り扱うことができる。制度によっては指定を受けた医療機関・薬局でなければ取り扱えず、どこでも扱えるわけではありません。
解説
正解は⑴と⑶です。公費負担医療制度は、国や地方自治体が法律などに基づいて運用し、税金を財源として医療費の全部又は一部を給付する制度です。社会保険方式で保険料を財源とする医療保険とは仕組みが異なります。石綿健康被害救済法による医療費の救済などもこれにあたります。対象は医療費の高さではなく、疾病や対象者の要件で決まり、取り扱えるのは指定を受けた医療機関や薬局に限られる場合があります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198924.html)を加工して作成