このように、追加された処方薬が漫然と継続されることで、薬剤の副作用や重複投与の可…
75 歳女性。一人暮らし。数年来処方1 で治療していた。1 ヶ月前に家の廊下で転倒し腰を痛め、痛くて眠れないとの訴えがあったため、処方2 が追加となった。本日の服薬指導時に患者は「腰はもう治り、痛みもない。夜もよく眠れるようになってよかった。しかし、腰を打ってからほとんど家で横になっている。食欲がなくて、水もあまり飲んでいないためか、トイレに行く回数が減っている。」と話していた。また、薬剤師は会話中に患者の手が震えており、両下肢にむくみがあることに気づいた。なお、血圧は正常にコントロールできている。(処方1 )アムロジピン錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 30 日分酸化マグネシウム錠250 mg 1 回1 錠(1 日3 錠)1 日3 回 朝昼夕食後 30 日分メトクロプラミド錠5 mg 1 回1 錠(1 日3 錠)1 日3 回 朝昼夕食前 30 日分(処方2 )ロキソプロフェンNa 錠60 mg 1 回1 錠(1 日3 錠)1 日3 回 朝昼夕食後 30 日分ゾルピデム酒石酸塩錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 就寝前 30 日分
このように、追加された処方薬が漫然と継続されることで、薬剤の副作用や重複投与の可能性、さらには、服用できない薬剤の増加による残薬の問題など、ポリファーマシーに関連した様々な課題が発生している。これまで、ポリファーマシーの対策として、国が実施した施策はどれか。2つ選べ。
- ⑴ 「高齢者の医薬品適正使用の指針」の作成を行った。厚生労働省は「高齢者の医薬品適正使用の指針」を作成し、ポリファーマシー対策を示しました。
- ⑵ ポリファーマシーによる問題がある患者数を半減するとの数値目標を設定した。ポリファーマシーの患者数を半減するといった数値目標は設定されていません。
- ⑶ 医療保険上の処方箋に記載できる薬剤の剤数の上限を設けた。処方箋に記載できる剤数の上限は設けられていません。
- ⑷ 患者の服用する薬剤を減らした場合の取組みについて診療報酬で評価した。薬剤総合評価調整加算や服用薬剤調整支援料など、減薬の取組みを診療報酬で評価しています。
- ⑸ 同時に使用する薬剤の剤数が10 を超えた分の薬剤費の自己負担割合を増やした。使用する剤数に応じて自己負担割合を増やす制度は導入されていません。
解説
正解は⑴と⑷です。国はポリファーマシー対策として、2018年に厚生労働省が「高齢者の医薬品適正使用の指針」を作成し、処方見直しの考え方や注意すべき薬剤を示しました。また診療報酬で、入院時の薬剤総合評価調整加算や、薬局が減薬を提案して実現した場合の服用薬剤調整支援料など、患者の服用薬剤を減らす取組みを評価しています。剤数の上限や自己負担割合の引き上げは実施されていません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198924.html)を加工して作成