この患者の脂質異常症の治療に関して、適切なのはどれか。1つ選べ。
70 歳女性。高血圧、心筋梗塞の既往あり。処方1 ~処方3 の薬剤を服用していたが、脂質異常症の治療効果不十分のため処方4 が追加された。現在の身体所見等は以下のとおりである。身体所見:身長155 cm、体重56 kg、血圧118/75 mmHg、脈拍数67 拍/分(整)血液検査: AST 30 IU/L、ALT 28 IU/L、血清クレアチニン値0.75 mg/dL、BUN 17 mg/dL、HDL 42 mg/dL、LDL 122 mg/dL、TG(トリグリセリド)110 mg/dL(処方1 )アスピリン腸溶錠100 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)ラベプラゾールNa 錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 7 日分(処方2 )テルミサルタン40 mg/アムロジピンベシル酸塩5 mg 配合錠1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 7 日分(処方3 )ロスバスタチン口腔内崩壊錠10 mg 1 回2 錠(1 日2 錠)1 日1 回 朝食後 7 日分(処方4 )エゼチミブ錠10 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 7 日分
この患者の脂質異常症の治療に関して、適切なのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ HDL の目標値は45 mg/dL 未満である。HDL の管理目標値は40 mg/dL 以上で、45 mg/dL 未満という目標は誤りです。
- ⑵ LDL の管理目標値は、既往歴のない患者の目標値(140 mg/dL)より低く設定されている。心筋梗塞の既往がある二次予防では、LDL の管理目標値は一次予防より低い100 mg/dL 未満に設定されています。
- ⑶ TG が管理目標値以上であるため、ベザフィブラートの追加が必要である。TG 110 mg/dL は管理目標値150 mg/dL 未満を満たしており、フィブラートの追加は不要です。
- ⑷ 処方3 の薬剤の吸収が低下するため、処方4 は服用時間を夕食後に変更する。エゼチミブはロスバスタチンの吸収を低下させないため、服用時間を分ける必要はありません。
- ⑸ 処方4 の薬剤の追加で十分な効果が得られない場合は、プロブコールをさらに併用する。エゼチミブで効果不十分の場合は PCSK9 阻害薬などが検討され、プロブコールの併用は一般的ではありません。
解説
正解は⑵です。心筋梗塞の既往がある患者は冠動脈疾患の二次予防にあたり、動脈硬化性疾患予防ガイドライン(2017年版、出題時点)では LDL の管理目標値は100 mg/dL 未満と、一次予防の目標値より低く設定されています。この患者は LDL 122 mg/dL で目標未達のため、エゼチミブが追加されました。HDL の目標は40 mg/dL 以上で、TG 110 mg/dL は目標の150 mg/dL 未満を満たしています。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198924.html)を加工して作成