処方1 及び処方2 のいずれかの薬物の作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。…
33 歳女性。最近体重が減少し、手指振戦、動悸、多汗があるため受診した。身体所見として眼球突出、びまん性甲状腺腫がありバセドウ病と診断され、薬局に以下の処方箋を持参した。なお、患者は動悸や振戦がひどくて辛いと話している。検査値等は以下のとおりである。(検査値)脈拍数115 拍/分、遊離サイロキシン(FT4)4 ng/dL、遊離トリヨードサイロニン(FT3)10 pg/mL、甲状腺刺激ホルモン(TSH)0.05 μU/mL 以下、TSH 受容体抗体陽性(処方1 )チアマゾール錠5 mg 1 回3 錠(1 日3 錠)1 日1 回 朝食後 14 日分(処方2 )プロプラノロール塩酸塩錠10 mg 1 回1 錠(1 日3 錠)1 日3 回 朝昼夕食後 14 日分
処方1 及び処方2 のいずれかの薬物の作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 分解酵素活性化によるトリヨードサイロニンの分解促進両薬剤とも、分解酵素を活性化してトリヨードサイロニンの分解を促進する作用はありません。
- ⑵ 合成酵素阻害によるサイロキシンの合成阻害チアマゾールは甲状腺ペルオキシダーゼを阻害し、サイロキシンの合成を阻害します。
- ⑶ TSH 受容体遮断による振戦の改善TSH 受容体を遮断する薬は処方されておらず、振戦の改善は β 遮断によるものです。
- ⑷ アドレナリン β1 受容体遮断による動悸の改善プロプラノロールは β1 受容体を遮断して動悸を改善します。
- ⑸ アドレナリン β2 受容体遮断による甲状腺ホルモンの遊離抑制β2 受容体遮断で甲状腺ホルモンの遊離が抑制されることはありません。
解説
正解は⑵と⑷です。処方1 のチアマゾールは甲状腺ペルオキシダーゼを阻害し、ヨウ素の有機化とヨードチロシンの縮合を妨げて、サイロキシン(T4)などの甲状腺ホルモンの合成を阻害します。処方2 のプロプラノロールは非選択的 β 遮断薬で、心臓の β1 受容体を遮断して頻脈や動悸を改善し、振戦などの交感神経症状も和らげます。チアマゾールの効果発現には数週間かかるため、β 遮断薬で症状を抑えます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198924.html)を加工して作成