この患者の脳梗塞急性期に対する治療薬として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
67 歳男性。身長167 cm、体重73 kg。近医で心臓弁膜症を指摘され、病院で心エコーの検査予定であった。真夏の午前中に庭の草むしりをしていたところ、突然めまいと嘔吐が出現し、その場に倒れた。一緒に作業をしていた妻が救急車を要請し、救命救急センターに搬送された。問診・検査の結果、脳梗塞と診断された。倒れてからの時間経過は以下のとおりである。8:50 草むしり中に転倒10:00 救命救急センターに到着10:25 緊急MRI の実施10:50 脳梗塞と診断
この患者の脳梗塞急性期に対する治療薬として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ アルガトロバン水和物アルガトロバンは発症48時間以内のアテローム血栓性脳梗塞などに用いる抗トロンビン薬で、血栓溶解作用はありません。
- ⑵ アルテプラーゼ発症から4.5時間以内であり、アルテプラーゼによる静注血栓溶解療法の適応となります。
- ⑶ オザグレルナトリウムオザグレルはラクナ梗塞などに用いる抗血小板薬で、心原性脳塞栓症には推奨されず、血栓溶解作用もありません。
- ⑷ ダルテパリンナトリウムダルテパリンは低分子ヘパリンで、脳梗塞急性期の血栓溶解には用いません。
- ⑸ ヘパリンナトリウムヘパリンは抗凝固薬で血栓を溶かす作用がなく、超急性期の第一選択ではありません。
解説
正解は⑵です。この患者は8時50分に倒れており、10時50分に脳梗塞と診断された時点で発症から約2時間です。アルテプラーゼ(rt-PA)による静注血栓溶解療法は発症から4.5時間以内に開始すれば適応となるため、条件を満たします。心臓弁膜症があり、心原性脳塞栓症の可能性もあります。アルガトロバンやオザグレルは主にアテローム血栓性脳梗塞やラクナ梗塞に用いる薬で、ヘパリンなどの抗凝固薬は血栓を溶かす作用をもちません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成