35歳の男性。歯を抜いたあとの痛みに、コデインを含む鎮痛薬を通常量服用したところ…
35歳の男性。歯を抜いたあとの痛みに、コデインを含む鎮痛薬を通常量服用したところ、強い眠気と呼吸の浅さが現れた。遺伝子の検査で、薬物代謝酵素の遺伝子の数が多い体質であることがわかった。この症状が現れた理由として、正しいのはどれか。
- ⑴ CYP2D6の活性が高く、コデインからモルヒネへの変換が多くなったため。コデインはCYP2D6でモルヒネに変わって作用するため、活性が高い人では作用が強く出ます。
- ⑵ オピオイド受容体の遺伝子の多型で、受容体の数が減って感受性が下がったため。感受性が下がれば作用は弱くなり、この症状とは合いません。
- ⑶ 代謝酵素の活性がない体質で、コデインが変換されないまま蓄積して強く効いたため。コデイン自体の鎮痛作用は弱く、変換されないとむしろ効果が出にくくなります。
- ⑷ アセチル化の速い体質で、コデインがアセチル化されて活性が強まったため。アセチル化の多型はイソニアジドなどの代謝に関わり、コデインの活性化とは異なります。
- ⑸ グルクロン酸抱合の活性が高い体質で、モルヒネが体内に長くとどまったため。抱合が速いとモルヒネはむしろ速く不活性化されます。
解説
正解は、CYP2D6の活性が高く、コデインからモルヒネへの変換が多くなったためです。コデインはそれ自体の鎮痛作用が弱く、肝臓のCYP2D6でモルヒネに変わって作用します。遺伝子の重複によってこの酵素の活性が高い人では、通常量でもモルヒネが多くつくられ、強い眠気や呼吸抑制が起こることがあります。逆に活性の低い人では、鎮痛効果が得られにくくなります。
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