78 歳女性。卵巣がん Stage Ⅳの腹腔内転移により再発し、化学療法を実施し…
78 歳女性。卵巣がん Stage Ⅳの腹腔内転移により再発し、化学療法を実施していたが、症状悪化に伴い緩和医療へ方針変更となった。大腸への浸潤により腹痛が出現し、緩和ケアチームが介入した。以下の処方で痛みのコントロールは不良で、経口摂取が徐々に困難となり、経鼻胃管の挿入を計画している。(処方)オキシコンチン TR 錠 20 mg(注) 1 回1 錠(1 日2 錠)1 日2 回 朝夕食後 10 日分(注:オキシコドン塩酸塩水和物徐放錠(乱用防止用製剤))そのため、フェンタニル貼付剤へのオピオイドスイッチングを検討しており、主治医から病棟担当薬剤師へスイッチングの相談があった。バイタルサインは以下のとおりであった。(バイタルサイン)項目 入院 30 日目血圧(mmHg) 110 / 70体温(℃) 36.2脈拍(拍/分) 60呼吸(回/分) 16医師からの相談内容について、薬剤師が提供する情報として適切なのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ 貼付後、速やかに血中濃度が上昇し、安定した鎮痛効果が得られる。フェンタニル貼付剤は貼付後に血中濃度が上昇するまで時間がかかり、速やかに鎮痛効果が安定するわけではありません。
- ⑵ スイッチングのタイミングとして、オキシコドン塩酸塩水和物徐放錠の最終投与時から貼付を開始する。12時間ごとの徐放錠からの切り替えでは、最終投与と同時に貼付を開始するのが適切で正答です。
- ⑶ バイタルサインから、フェンタニル貼付剤の吸収率が増加すると判断できる。体温36.2℃で発熱はなく、バイタルサインから吸収率が増加するとは判断できません。
- ⑷ レスキュー薬としてフェンタニル舌下錠を用いる。フェンタニル舌下錠は用量の滴定が必要な製剤で、スイッチング時の情報として最も適切なものではありません。
- ⑸ フェンタニル貼付剤は、疼痛部位に貼付するとより効果的である。貼付剤は全身作用型で、胸部・腹部・上腕部・大腿部などに貼付し、疼痛部位に貼る必要はありません。
解説
正解は⑵です。オキシコンチンTR錠のような12時間ごとに服用する徐放性製剤からフェンタニル貼付剤へ切り替える場合、貼付剤は貼付後に血中濃度が上昇するまで12〜24時間程度かかるため、徐放錠の最終投与と同時に貼付を開始して鎮痛効果の空白を防ぎます。体温は36.2℃で発熱はなく、吸収が増加するとは判断できません。貼付剤は胸部、腹部、上腕部、大腿部などに貼付し、疼痛部位に貼る必要はありません。レスキューには速放性製剤を個別に用意します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成