この患者の化学療法に伴う悪心・嘔吐の予防に用いる薬剤として適切なのはどれか。2つ…
45 歳男性。糖尿病で治療中である。21~30 歳までの間、化学工場で化学物質を取り扱う業務に従事していた。血尿を自覚し泌尿器科を受診し、膀胱鏡検査、造影 CT 及び MRI 検査により、膀胱がんと診断された。経尿道的膀胱腫瘍切除術を施行し、筋層浸潤がんであることが確認されたため、GC 療法(ゲムシタビン・シスプラチン併用療法)による術前化学療法を4 コース行った後、ロボット支援根治的膀胱全摘除術を受けることになった。
この患者の化学療法に伴う悪心・嘔吐の予防に用いる薬剤として適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ クロルプロマジン塩酸塩錠クロルプロマジンは突出性嘔吐などに用いることはありますが、高度催吐性化学療法の予防の標準薬ではありません。
- ⑵ メトクロプラミド錠メトクロプラミドは主に突出性の悪心・嘔吐に用いる薬で、シスプラチンの嘔吐予防の基本薬ではありません。
- ⑶ アプレピタントカプセルNK1受容体拮抗薬のアプレピタントは高度催吐性リスクの化学療法で予防に用いる標準薬であり、適切です。
- ⑷ オランザピン錠オランザピンは制吐に有用ですが、糖尿病患者には高血糖のおそれから禁忌であり、この患者には使えません。
- ⑸ パロノセトロン塩酸塩注射液第2世代5-HT3受容体拮抗薬のパロノセトロンは、急性・遅発性嘔吐の予防に用いる標準薬であり適切です。
解説
正解は⑶と⑸です。シスプラチンを含むGC療法は高度催吐性リスクに分類され、制吐療法ではNK1受容体拮抗薬(アプレピタント)、5-HT3受容体拮抗薬(パロノセトロン)、デキサメタゾンの併用が基本で、必要に応じてオランザピンを加えます。しかしこの患者は糖尿病で治療中であり、オランザピンは高血糖・糖尿病性ケトアシドーシスのおそれから糖尿病患者に禁忌です。クロルプロマジンやメトクロプラミドは突出性嘔吐などに用いる薬で、予防の標準薬ではありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成