68 歳女性。1 週間前より右下肢に腫脹が見られるようになり、かかりつけ医から大…
68 歳女性。1 週間前より右下肢に腫脹が見られるようになり、かかりつけ医から大学病院を紹介され、受診した。下肢静脈超音波検査による血栓の確認及びD-ダイマーの上昇により、深部静脈血栓症と診断され、即日入院となった。薬剤師は、患者が携帯していたお薬手帳より、現在の使用中の薬剤情報を入手した。また、入院後も服用継続の予定である。(お薬手帳の内容)ミコナゾールゲル経口用2 % 20 g1 回適量1 日4 回 朝昼夕就寝前 口腔内に塗布(臨床検査値)D-ダイマー8.9 μg/mL(基準値:1.0 μg/mL 未満)、eGFR 72 mL/min/1.73 m²この患者に適切な深部静脈血栓症の治療薬はどれか。2つ選べ。
- ⑴ シロスタゾールシロスタゾールは抗血小板薬で、動脈系の血栓予防に用い、深部静脈血栓症の治療薬ではありません。
- ⑵ クロピドグレルクロピドグレルは抗血小板薬で、動脈系の血栓予防に用い、深部静脈血栓症の治療薬ではありません。
- ⑶ ワルファリンカリウムミコナゾールはワルファリンの代謝を強く阻害し出血の危険を高めるため、ワルファリンとの併用は禁忌です。
- ⑷ アピキサバンアピキサバンは第Xa因子阻害薬で深部静脈血栓症の治療に用いられ、ミコナゾールとの併用禁忌もありません。
- ⑸ ダルテパリンダルテパリンは低分子量ヘパリンで、アンチトロンビンを介して第Xa因子を阻害し、静脈血栓に対する抗凝固作用を示します。
解説
正解は⑷と⑸です。深部静脈血栓症の治療には抗凝固薬を用います。この患者はミコナゾールゲルを継続使用する予定ですが、ミコナゾールはCYP2C9を強く阻害してワルファリンの作用を著しく増強するため、両者の併用は禁忌です。そのため、直接経口抗凝固薬のアピキサバンや、低分子量ヘパリンのダルテパリンが選択肢になります。eGFRは72 mL/min/1.73 m²で腎機能に大きな問題はありません。シロスタゾールやクロピドグレルは抗血小板薬で、主に動脈血栓の予防に用います。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198928.html)を加工して作成