1 年後、この患者は妊娠したが、妊娠第25 週目になって血圧の上昇(154/11…
29 歳女性。既婚。3 年前に夫をドナーとした生体腎移植(ABO 血液型適合)を受け、拒絶反応を抑制するため免疫抑制薬を以下の処方で服用しながら、生活をしている。腎移植後、体調がよくなり生活も安定してきたので、子供を欲しいと思うようになった。(処方)シクロスポリンカプセル25 mg 1 回3 カプセル(1 日6 カプセル)1 日2 回 朝夕食後 28 日分
1 年後、この患者は妊娠したが、妊娠第25 週目になって血圧の上昇(154/112mmHg)がみられたため入院し、降圧療法を行うことになった。なお、入院時の血液検査結果は以下のとおりである。(検査値)BUN 18 mg/dL、血清クレアチニン0.7 mg/dL、eGFR 80 mL/min/1.73 m²、Na 143 mEq/L、K 5.2 mEq/L、Cl 105 mEq/Lこの患者に対して禁忌ではなく、用いることができる降圧薬はどれか。2つ選べ。
- ⑴ アテノロールアテノロールは妊婦に禁忌とはされておらず、治療上の有益性を考慮して用いることができます。
- ⑵ エナラプリルマレイン酸塩エナラプリルなどのACE阻害薬は、胎児の腎障害や羊水過少症などを起こすため、妊婦には禁忌です。
- ⑶ エサキセレノンエサキセレノンは投与開始時の血清カリウムが5.0 mEq/Lを超える場合は禁忌で、この患者(K 5.2 mEq/L)には使えません。
- ⑷ バルサルタンバルサルタンなどのARBもACE阻害薬と同様に胎児毒性があり、妊婦には禁忌です。
- ⑸ ニフェジピンニフェジピンは妊娠20週以降の妊婦に使用でき、妊娠高血圧に用いられる降圧薬です。
解説
正解は⑴と⑸です。妊娠中の高血圧に用いることのできる降圧薬には、メチルドパ、ラベタロール、ヒドララジン、ニフェジピンなどがあり、アテノロールも禁忌ではありません。ニフェジピンは妊娠20週以降に使用できます。エナラプリルなどのACE阻害薬やバルサルタンなどのARBは、胎児の腎障害や羊水過少などを起こすため妊婦には禁忌です。エサキセレノンは高カリウム血症を悪化させるおそれがあり、投与開始時の血清カリウムが5.0 mEq/Lを超える患者には禁忌のため、K 5.2 mEq/Lのこの患者には使えません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198928.html)を加工して作成