この患者の病態に関する記述として正しいのはどれか。2つ選べ。
25 歳女性。既婚。子供を欲しいと思っている。2 ケ月ほど前から屋外での作業の後、微熱、疲労感、関節痛及び両頬に紅斑が現れたため、市販の感冒薬と解熱鎮痛薬で様子を見ていた。3 日前から38 ℃台の発熱と下肢の浮腫、冷たいものを持つと両手指のしびれ・蒼白現象などが出現したため、総合病院を受診したところ、精査目的で入院となった。血液検査結果は以下のとおりであった。(検査値)白血球2,800/μL、赤血球400 × 10⁴/μL、血小板9.3 × 10⁴/μL、血中総ビリルビン0.6 mg/dL、ALT 26 IU/L、AST 15 IU/L、BUN 45 mg/dL、血清クレアチニン2.0 mg/dL、抗核抗体640 倍、抗Sm 抗体8 倍、尿タンパク(2+)
この患者の病態に関する記述として正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 関節リウマチの典型的な初期症状が発現している。蝶形紅斑や光線過敏、抗Sm抗体陽性などから全身性エリテマトーデスが考えられ、関節リウマチの典型的な所見ではありません。
- ⑵ 発症には、主に細胞性免疫(Ⅳ型アレルギー)が関与する。全身性エリテマトーデスの発症には、主に免疫複合体によるⅢ型アレルギーが関与します。
- ⑶ 検査結果より、ループス腎炎は否定できる。尿タンパク(2+)や血清クレアチニン2.0 mg/dLの上昇があり、ループス腎炎は否定できず、むしろ疑われます。
- ⑷ 手指にRaynaud(レイノー)現象が認められる。寒冷刺激で手指がしびれて蒼白になる現象はレイノー現象で、この患者に認められます。
- ⑸ 粘膜症状や精神神経系症状など多様な全身症状が現れることがある。全身性エリテマトーデスでは、口腔潰瘍などの粘膜症状や精神神経症状など多様な全身症状が現れることがあります。
解説
正解は⑷と⑸です。若年女性で、日光曝露後の発熱・関節痛・両頬の紅斑(蝶形紅斑)、白血球と血小板の減少、抗核抗体と抗Sm抗体陽性、尿タンパクを認めることから、全身性エリテマトーデス(SLE)と考えられます。冷たいものを持つと手指がしびれて蒼白になるのはレイノー現象です。SLEは免疫複合体が組織に沈着するⅢ型アレルギーが主体で、口腔潰瘍などの粘膜症状や精神神経症状など多彩な全身症状が現れます。尿タンパクや血清クレアチニン上昇からループス腎炎が疑われます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198928.html)を加工して作成