ワクチン接種後、被接種者が待合室に向かう途中で気分が悪いとその場に倒れこんだ。そ…
65 歳男性。帯状疱疹の予防のためにワクチン接種を希望した。男性は、かかりつけの病院で接種可能かを確認し、接種の予約を行った。接種の当日は平熱で、問診の結果からワクチン接種が可能と判定され、以下のワクチン製剤の1 回目の接種を行うことになった。シングリックス筋注用(注) 1 バイアル(専用溶解用液0.5 mL 1 本添付)1 回0.5 mL を筋肉内注射注: 乾燥組換え帯状疱疹ワクチン。水痘帯状疱疹ウイルス糖タンパク質E 抗原を有効成分とする凍結乾燥製剤と専用溶解用液からなる。前者は、添加物として精製白糖及びポリソルベート80 等を含有する。後者は、グラム陰性菌Salmonella minnesota R595 株のリポ多糖の非毒性型誘導体である3-脱アシル化-4'-モノホスホリルリピッドA と精製キラヤサポニンを包含するリポソームからなるアジュバントを含有する。
ワクチン接種後、被接種者が待合室に向かう途中で気分が悪いとその場に倒れこんだ。その場に居合わせた薬剤師と看護師は、待機している医師に対応を要請した。患者は呼びかけには反応するが、頻脈と蒼白が観察された。駆けつけた医師は被接種者の症状からアナフィラキシーを疑ったため、その場に居合わせた薬剤師と看護師とともにチームとして患者に対応した。この患者に対する迅速な対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 患者を仰臥位に保持アナフィラキシーでは血圧が低下するため、仰臥位にして下肢を挙上し、脳への血流を保ちます。
- ⑵ アドレナリンの静脈内投与アナフィラキシーの初期対応ではアドレナリンを筋肉内注射します。静脈内投与は不整脈などのリスクがあり、限られた状況でのみ行います。
- ⑶ 急速輸液に使用する等張電解質液の準備血管透過性の亢進による循環血液量の減少に備え、急速輸液用の等張電解質液を準備します。
- ⑷ 二相性反応予防に使用する抗ヒスタミン薬の準備抗ヒスタミン薬は皮膚症状などに用いる補助的な薬であり、二相性反応を予防する効果は確立していません。
- ⑸ 胸骨圧迫と人工呼吸の実施患者は呼びかけに反応しており心停止ではないため、胸骨圧迫と人工呼吸は必要ありません。
解説
正解は⑴と⑶です。アナフィラキシーが疑われる場合は、まず患者を仰臥位にし、下肢を挙上して循環を保ちます。急に立たせたり座らせたりすると、血圧低下により致命的になることがあります。第一選択薬はアドレナリンの筋肉内注射(大腿部前外側)であり、静脈内投与は心停止に近い状態などに限られます。血圧低下に備えて、急速輸液用の生理食塩液などの等張電解質液を準備します。抗ヒスタミン薬は二相性反応を予防する根拠に乏しく、意識や脈がある患者に胸骨圧迫は行いません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198928.html)を加工して作成