院内スタッフに向けて行う講義内容として適切なのはどれか。2つ選べ。
院内の感染症対策委員会において、インフルエンザ流行への対応策を検討した結果、高齢者の死亡リスクがあるため、面会制限を実施するとともに、薬剤師が院内スタッフへ向けて感染予防の講義を行うことになった。委員会を見学していた実務実習生から、「高齢者の死亡リスクはどのようにして求めるのですか。」と質問があったため、指導薬剤師が高齢者の死亡リスクを求める模擬データを用いた課題を出した。(模擬データ)インフルエンザウイルス感染者数と 28 日以内の死亡者数年齢群(歳) 感染者数(人) 死亡者数(人)55~59 600 160~64 400 165~69 400 270~74 400 275~79 400 480~84 400 585~89 300 1090~94 300 15
院内スタッフに向けて行う講義内容として適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ このウイルスの主な感染経路は空気感染である。インフルエンザの主な感染経路は飛沫感染と接触感染です。空気感染が主ではありません。
- ⑵ ウイルスの伝播・拡散を防止するために、手指衛生を徹底する。接触感染による伝播を防ぐため、手指衛生の徹底は講義内容として適切です。
- ⑶ インフルエンザ HA ワクチンの接種前に、鶏卵や鶏肉アレルギーの有無を確認する。HAワクチンは発育鶏卵で製造されるため、鶏卵・鶏肉などへのアレルギーの確認は適切です。
- ⑷ 65 歳以上の高齢者に対するインフルエンザ HA ワクチンの定期予防接種は、努力義務である。高齢者のインフルエンザはB類疾患の定期接種で、努力義務は課されていません。努力義務はA類疾患です。
- ⑸ 感染予防の目的で、ペラミビルを投与することができる。ペラミビルは治療用の点滴薬で、予防投与の適応はありません。予防にはオセルタミビルなどが用いられます。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵と⑶です。インフルエンザは主に飛沫感染と接触感染で広がるため、手指衛生の徹底は院内感染対策の基本です。インフルエンザHAワクチンは発育鶏卵を用いて製造されるため、接種前に鶏卵・鶏肉など鶏由来成分へのアレルギーの有無を確認します。65歳以上の高齢者への接種は予防接種法のB類疾患の定期接種で、本人の意思に基づき努力義務は課されていません。ペラミビルは治療薬で、令和6年時点で予防投与の適応はありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成