このワクチン製剤に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
65 歳男性。帯状疱疹の予防のためにワクチン接種を希望した。男性は、かかりつけの病院で接種可能かを確認し、接種の予約を行った。接種の当日は平熱で、問診の結果からワクチン接種が可能と判定され、以下のワクチン製剤の1 回目の接種を行うことになった。シングリックス筋注用(注) 1 バイアル(専用溶解用液0.5 mL 1 本添付)1 回0.5 mL を筋肉内注射注: 乾燥組換え帯状疱疹ワクチン。水痘帯状疱疹ウイルス糖タンパク質E 抗原を有効成分とする凍結乾燥製剤と専用溶解用液からなる。前者は、添加物として精製白糖及びポリソルベート80 等を含有する。後者は、グラム陰性菌Salmonella minnesota R595 株のリポ多糖の非毒性型誘導体である3-脱アシル化-4'-モノホスホリルリピッドA と精製キラヤサポニンを包含するリポソームからなるアジュバントを含有する。
このワクチン製剤に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 専用溶解用液中の脂質粒子は、内水層を有する。アジュバントを含むリポソームは脂質二重膜で囲まれた小胞で、内部に水層をもちます。
- ⑵ ポリソルベート80 は、微生物の発育を阻止する目的で添加されている。ポリソルベート80は非イオン性界面活性剤で、抗原の安定化や分散のために添加されており、保存剤ではありません。
- ⑶ 精製白糖は、無痛化を目的に添加されている。精製白糖は凍結乾燥時の抗原の安定化剤として添加されており、無痛化剤ではありません。
- ⑷ 凍結を避けて、2 ~8 ℃で保存する。ワクチン製剤は凍結により変質するおそれがあるため、凍結を避けて2〜8℃で遮光保存します。
- ⑸ 血液中に移行後、製剤が徐々に分解されて有効成分を放出する。本剤は筋肉内注射で局所の免疫細胞に抗原を提示させるもので、血中で徐々に分解されて放出される徐放性製剤ではありません。
解説
正解は⑴と⑷です。専用溶解用液のアジュバントは、3-脱アシル化-4'-モノホスホリルリピッドAとキラヤサポニンを含むリポソームです。リポソームはリン脂質二重膜で囲まれた小胞であり、内側に水相(内水層)をもちます。ワクチン製剤は凍結すると変質するおそれがあるため、凍結を避けて2〜8℃で保存します。ポリソルベート80は界面活性剤として抗原の安定化などに用いられ、精製白糖は凍結乾燥時の安定化剤です。筋肉内に注射して局所で免疫を誘導するもので、血中で徐放する製剤ではありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198928.html)を加工して作成