本症例の糖尿病治療強化のために追加できる薬剤及び用法として適切なのはどれか。2つ…
50 歳男性。喫煙20 本/日、飲酒ビール500 mL/日。5 年くらい前から会社の健康診断にて高血糖を指摘されており、近医を受診して2 型糖尿病と診断された。その後、食事療法と運動療法を行うも改善が認められず、以下の薬剤を服薬することになった。(処方)メトホルミン塩酸塩錠250 mg 1 回1 錠(1 日2 錠)1 日2 回 朝夕食後 14 日分服用3 ケ月後の定期受診時に病院薬剤師は、診療録より近日冠動脈造影検査を予定していること、しばしば軽度の低血糖症状を自覚したこと、朝食を食べないことも多く、よく飲み忘れるとの情報を得た。身体並びに検査結果は以下のとおりである。(身体並びに検査結果)身長168 cm、体重85 kg、BMI 30.1、血圧146/90 mmHg、HbA1c 8.2%、空腹時血糖190 mg/dL、eGFR 55 mL/min/1.73 m²、総コレステロール220 mg/dL、TG(トリグリセリド)180 mg/dL、HDL-C 54 mg/dL、LDL-C 130 mg/dL、尿糖(+)、尿蛋白(+)
本症例の糖尿病治療強化のために追加できる薬剤及び用法として適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ エンパグリフロジン錠を朝食後に投与する。SGLT2阻害薬は体重減少効果があり単独では低血糖を起こしにくく、肥満を伴う本例に朝食後投与で追加できます。
- ⑵ レパグリニド錠を朝食後に投与する。レパグリニドは速効型インスリン分泌促進薬で、毎食直前に服用します。朝食後の投与は不適切です。
- ⑶ グリメピリド錠を就寝前に投与する。グリメピリドは低血糖を起こしやすく、就寝前の投与は夜間低血糖のおそれがあるため不適切です。
- ⑷ ボグリボース錠を夕食後に投与する。ボグリボースは食後の糖吸収を遅らせる薬で、毎食直前に服用します。夕食後の投与では効果がありません。
- ⑸ セマグルチド錠を空腹時に投与する。経口セマグルチドは食事で吸収が低下するため、1日の最初の飲食前の空腹時に服用します。
解説
正解は⑴と⑸です。この患者は肥満(BMI 30.1)があり、朝食を抜くことが多く、軽い低血糖も経験しています。エンパグリフロジンは体重減少効果があり単独では低血糖を起こしにくいSGLT2阻害薬で、朝食後に投与します。経口セマグルチドは吸収が食事の影響を強く受けるため、1日の最初の飲食前の空腹時に少量の水で服用します。レパグリニドやボグリボースは食直前に服用する薬で、グリメピリドは低血糖のリスクが高く、就寝前の投与は適さないと判断できます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成