透析効率を評価した結果、ドライウエイトの上方修正を行った。しかし、その後も透析後…
65 歳女性。身長155 cm。パート勤務。糖尿病性腎症が進行し、1 年前から血液透析が導入された。透析後目標体重(ドライウエイト)43 kg、透析間体重増加量平均2.0 kg。女性は、週3 回透析を受けていたが、透析後に立ちくらみ、ふらつき、倦怠感、脱力感などの血圧低下症状がみられるようになり、最近は透析の翌日まで症状が続くようになった。そのため、透析チームは栄養状態の確認、ドライウエイトの再設定及び透析効率を検討することにした。
透析効率を評価した結果、ドライウエイトの上方修正を行った。しかし、その後も透析後の起立時に収縮期血圧が25 mmHg 以上低下しており、症状の改善もみられなかった。そのため、医師は透析後の血圧低下を予防するために薬物を投与することにした。予防投与される薬物として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ イソプレナリン塩酸塩イソプレナリンはβ受容体刺激薬で、徐脈やアダムス・ストークス症候群などに用います。血管拡張により血圧が下がることもあります。
- ⑵ アデノシン三リン酸二ナトリウム水和物アデノシン三リン酸二ナトリウムは頭部外傷後遺症やめまいなどに用いられ、血圧低下の予防薬ではありません。
- ⑶ ジゴキシンジゴキシンは心不全や心房細動の心拍数調節に用いる強心配糖体で、透析後の低血圧予防には用いません。
- ⑷ ドロキシドパノルアドレナリンの前駆物質で、血液透析患者の起立性低血圧に対して透析前に投与する適応があります。
- ⑸ ニトログリセリンニトログリセリンは血管拡張により血圧を下げる狭心症治療薬で、低血圧を悪化させます。
解説
正解は⑷です。この患者は透析後に起立時の血圧低下が続いており、透析低血圧や起立性低血圧への対応が必要です。ドロキシドパはノルアドレナリンの前駆物質で、体内で芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素によりノルアドレナリンに変換されて血圧を上げ、血液透析患者の起立性低血圧に対して透析開始前に投与されます。他の選択肢は不整脈や心不全、狭心症などに用いる薬で、血圧低下の予防には適さないと判断できます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成