透析効率の指標に、標準化透析量(Kt/V)がある。Kt/V は透析前BUN の濃…
65 歳女性。身長155 cm。パート勤務。糖尿病性腎症が進行し、1 年前から血液透析が導入された。透析後目標体重(ドライウエイト)43 kg、透析間体重増加量平均2.0 kg。女性は、週3 回透析を受けていたが、透析後に立ちくらみ、ふらつき、倦怠感、脱力感などの血圧低下症状がみられるようになり、最近は透析の翌日まで症状が続くようになった。そのため、透析チームは栄養状態の確認、ドライウエイトの再設定及び透析効率を検討することにした。
透析効率の指標に、標準化透析量(Kt/V)がある。Kt/V は透析前BUN の濃度[BUNpre]と透析後BUN の濃度[BUNpost]の値を用いて次式で計算される。Kt/V = - [BUNpost]ln[BUNpre]この患者では、[BUNpre]= 80 mg/dL、[BUNpost]= 10 mg/dL であった。このときの Kt/V の値として正しいのはどれか。1つ選べ。ただし、ln 2 = 0.69 とし、K は透析により単位時間あたりに除去された尿素量に対応する血液の容量、t は透析時間、V は透析された血液の総容量を表すものとする。
- ⑴ -2.07符号を誤り-ln 8を計算した値です。Kt/Vは除去効率を表すため正の値になります。
- ⑵ -1.38-2×ln 2に相当する値で、濃度比1/8を1/4と誤ったうえに符号も誤っています。
- ⑶ -0.69-ln 2に相当する値で、濃度比と符号の両方を誤っています。
- ⑷ 1.382×ln 2=1.38は、濃度比を1/4として計算した場合の値で、80/10=8と合いません。
- ⑸ 2.07-ln(10/80)=ln 8=3×0.69=2.07となり、正しい値です。
解説
正解は⑸です。Kt/Vは尿素の除去効率を表す指標で、式はKt/V=-ln([BUNpost]/[BUNpre])です。値を代入すると、-ln(10/80)=-ln(1/8)=ln 8=3×ln 2=3×0.69=2.07となります。透析後のBUNは透析前より必ず低いので対数の中身は1未満となり、マイナス符号がつくことでKt/Vは正の値になります。負の値の選択肢は符号の扱いを誤ったものであり、実際の血液透析では一般に1.2以上が目標とされています。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成