この患者に関する病態と薬物治療に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
56 歳女性。身長158 cm、体重58 kg。健康診断で眼圧上昇を指摘され、眼科受診。初期眼圧右眼22 mmHg、左眼24 mmHg。眼底検査、隅角検査及び視野検査等の結果、原発開放隅角緑内障と診断され、トラボプロスト点眼液0.004%が処方された。この患者の併用薬、検査値は以下のとおりである。(併用薬)エルデカルシトールカプセル0.75 μg 1 回1 カプセル(1 日1 カプセル)1 日1 回 朝食後レバミピド錠100 mg 1 回1 錠(1 日3 錠)1 日3 回 朝夕食後、就寝前インダカテロールマレイン酸塩吸入用カプセル150 μg1 回1 カプセル(1 日1 カプセル)1 日1 回朝(身体所見及び検査値)血圧128/80 mmHg、AST 25 IU/L、ALT 28 IU/L、血清クレアチニン0.72 mg/dL、eGFR 64.7 mL/min/1.73 m²、FEV1(1 秒率)67%
この患者に関する病態と薬物治療に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 眼圧上昇の主な原因は、房水の流出障害である。原発開放隅角緑内障では房水の流出が障害され、眼圧が上昇します。
- ⑵ 進行しても眼痛以外の自覚症状は生じない。進行すると視野欠損や視力低下が生じ、眼痛はむしろ典型的な症状ではありません。
- ⑶ トラボプロストは、瞳孔平滑筋を収縮させるために処方されている。トラボプロストはFP受容体を刺激してぶどう膜強膜流出を促す薬で、瞳孔を収縮させる目的ではありません。
- ⑷ トラボプロストには、虹彩や眼瞼への色素沈着の副作用がある。トラボプロストなどのプロスタグランジン関連薬には、虹彩や眼瞼への色素沈着の副作用があります。
- ⑸ トラボプロスト点眼液は、症状にあわせて1 日の点眼回数を調節する。トラボプロスト点眼液は1日1回の点眼で、回数を増やすと効果が弱まることもあるため自己調節しません。
解説
正解は⑴と⑷です。原発開放隅角緑内障は、隅角は開いているものの線維柱帯などの房水流出路の抵抗が高まり、房水の流出が障害されて眼圧が上がる病態です。トラボプロストはプロスタグランジンFP受容体刺激薬で、ぶどう膜強膜流出路からの房水流出を促して眼圧を下げ、副作用として虹彩や眼瞼の色素沈着、睫毛の伸長などがあります。この病型は進行するまで自覚症状に乏しく、徐々に視野欠損が進みます。トラボプロストは瞳孔を収縮させる薬ではなく、1日1回の点眼を守ります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198925.html)を加工して作成