FOLFOX 療法の2 コース目の点滴時に手のしびれの訴えがあったと看護師から薬…
56 歳男性。体重72 kg。5 ヶ月程前、職場の健康診断で便潜血陽性を指摘され大学病院を受診した。検査の結果、S 状結腸がん(Stage Ⅲ)と診断された。約1 ヶ月後、S 状結腸切除術が施行された。その後、術後補助化学療法としてFOLFOX 療法(オキサリプラチン・レボホリナートカルシウム・フルオロウラシル)を入院にて導入することとなった。
FOLFOX 療法の2 コース目の点滴時に手のしびれの訴えがあったと看護師から薬剤師に連絡があった。薬剤師が患者と面談を行ったところ、「冷たいものに触れるとビリビリとする感覚が前回からあります。また、文字を書きにくい日や、ボタンをかけにくい日が増えてきました。」とのことだった。薬剤師は、このしびれをFOLFOX 療法の副作用と考え、症状を改善するために担当医と話し合うこととした。このしびれの対応に関し、薬剤師が担当医へ提案する内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ プレガバリンの追加プレガバリンは神経障害性疼痛に用いられ、オキサリプラチンによるしびれの症状緩和に使われることがあります。
- ⑵ グラニセトロン塩酸塩の追加グラニセトロンは制吐薬で、末梢神経障害によるしびれは改善しません。
- ⑶ フルオロウラシルからパクリタキセルへの変更しびれの原因はオキサリプラチンで、パクリタキセル自体も末梢神経障害を起こすため不適切です。
- ⑷ オキサリプラチンの減量又は休薬機能障害を伴う末梢神経障害が出た場合は、原因であるオキサリプラチンの減量や休薬を検討します。
- ⑸ レボホリナートカルシウムの増量レボホリナートはフルオロウラシルの効果増強のための薬で、増量してもしびれは改善しません。
解説
正解は⑴と⑷です。冷たいものに触れるとしびれる急性の症状と、字を書きにくい、ボタンをかけにくいといった機能障害を伴う症状は、オキサリプラチンによる末梢神経障害と考えられます。機能障害が出てきた段階では、オキサリプラチンの減量や休薬を検討することが重要です。症状の緩和にはプレガバリンなどの神経障害性疼痛治療薬が用いられることがあります。グラニセトロンは制吐薬で、パクリタキセルも末梢神経障害を起こし、レボホリナートの増量はしびれの改善に役立たない対応です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198925.html)を加工して作成