薬剤師が医師に提案する追加薬剤として、適切なのはどれか。2つ選べ。
75 歳男性。喫煙歴50 年(1 日40 本程度)、血圧135/80 mmHg、脈拍68拍/分、整。数日前から胸の痛みや圧迫感、息苦しさを感じるようになった。今日の明け方、胸が強く締め付けられるような発作が生じたため医療機関を受診したところ、器質的冠動脈狭窄のない冠攣縮性狭心症と診断され治療が開始された。(処方)ニトログリセリン舌下錠0.3 mg 1 回1 錠胸痛発作時 7 回分(7 錠)ベニジピン塩酸塩錠4 mg 1 回1 錠(1 日2 錠)1 日2 回 朝夕食後 14 日分治療開始後、発作の頻度は減ったが、軽い自覚症状が続いた。そのため、担当医は効果不十分と判定し、薬剤師と治療方針についてカンファレンスを実施した。
薬剤師が医師に提案する追加薬剤として、適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 一硝酸イソソルビド錠一硝酸イソソルビドは持続性の硝酸薬で、Ca拮抗薬で効果不十分な冠攣縮性狭心症に追加されます。
- ⑵ プロプラノロール塩酸塩錠プロプラノロールは非選択的β遮断薬で、冠攣縮を悪化させるおそれがあります。
- ⑶ カルテオロール塩酸塩錠カルテオロールもβ遮断薬で、冠攣縮性狭心症では攣縮を誘発するおそれがあります。
- ⑷ ニコランジル錠ニコランジルは硝酸薬様作用とK⁺チャネル開口作用をもち、冠攣縮の予防に有効です。
- ⑸ シルデナフィルクエン酸塩錠シルデナフィルは硝酸薬との併用で過度の血圧低下を起こすため併用禁忌です。
解説
正解は⑴と⑷です。冠攣縮性狭心症の発作予防の基本はCa拮抗薬で、効果が不十分な場合には長時間作用型の硝酸薬やニコランジルを追加します。一硝酸イソソルビドはNOを遊離して冠動脈を拡張する持続性硝酸薬で、ニコランジルは硝酸薬様作用とK⁺チャネル開口作用で冠攣縮を抑えます。プロプラノロールやカルテオロールなどのβ遮断薬は、β2受容体を介した血管拡張を抑えてα作用を相対的に強め、冠攣縮を悪化させるおそれがあります。シルデナフィルは硝酸薬との併用が禁忌です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198925.html)を加工して作成