検査に先立ち、エドロホニウムの過度な作用発現に対処するために準備する薬物として、…
55 歳女性。数ヶ月前から身体のだるさや疲れやすさを感じていた。最近、まぶたが重く物が見えにくくなってきた。さらに、食べ物を飲み込みにくくなったため、近医を受診した。重症筋無力症を疑った医師から、診断のための検査をするにあたりエドロホニウム試験について薬剤師に問合せがあった。
検査に先立ち、エドロホニウムの過度な作用発現に対処するために準備する薬物として、適切なのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ d-クロルフェニラミンマレイン酸塩d-クロルフェニラミンは抗ヒスタミン薬で、コリン作動性の副作用には対処できません。
- ⑵ アトロピン硫酸塩水和物アトロピンはムスカリン受容体を遮断し、徐脈や気管支収縮などの過度なコリン作用に対処できます。
- ⑶ アドレナリンアドレナリンはアナフィラキシーなどに用いる薬で、コリン作動性の副作用の拮抗薬ではありません。
- ⑷ ネオスチグミンメチル硫酸塩ネオスチグミンもコリンエステラーゼ阻害薬で、過度な作用をさらに増強させます。
- ⑸ シクロスポリンシクロスポリンは免疫抑制薬で、検査時の過度な作用への対処には用いません。
解説
正解は⑵です。エドロホニウムは作用時間の短いコリンエステラーゼ阻害薬で、静注すると神経筋接合部のアセチルコリン量が増え、重症筋無力症では眼瞼下垂などの筋力低下が一時的に改善します。一方でムスカリン受容体を介した徐脈、気管支収縮、流涎、腹痛などのコリン作動性の副作用が出ることがあるため、これに対処するムスカリン受容体遮断薬のアトロピンをあらかじめ準備しておきます。ネオスチグミンは同じコリンエステラーゼ阻害薬で、症状をかえって悪化させます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198925.html)を加工して作成