処方1 ~処方4 に関する記述として適切なのはどれか。2つ選べ。
68 歳男性。身長173 cm、体重65 kg。大動脈弁狭窄症に対する手術を行い集中治療室に入室した。術後2 日目、患者は人工呼吸管理下、絶食下にあり、担当医より以下が処方された。(処方1 )10%ブドウ糖加酢酸維持液 500 mL バッグ 2 バッグチアミン塩化物塩酸塩・リボフラビンリン酸エステルナトリウム・アスコルビン酸配合注射液(注) 1 バイアルファモチジン注射用 20 mg アンプル 1 アンプル1 日1 回 末梢静脈より持続点滴 12 時間(処方2 )10%ブドウ糖加酢酸維持液 500 mL バッグ 2 バッグファモチジン注射用 20 mg アンプル 1 アンプル1 日1 回 末梢静脈より持続点滴 12 時間(処方3 )酢酸リンゲル液500 mL 1 バッグ1 日1 回 末梢静脈より持続点滴 4 時間(処方4 )セファゾリンナトリウム点滴静注用1 g バッグ 1 バッグ1 日2 回 末梢静脈より点滴静注 1 時間(注) 5 mL 中にチアミン塩化物塩酸塩10 mg、リボフラビンとして5 mg、アスコルビン酸200 mg を含有する。
処方1 ~処方4 に関する記述として適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 処方1 及び処方2 の10%ブドウ糖加酢酸維持液500 mL の熱量は約100 kcal である。ブドウ糖50 g×4 kcal/gで約200 kcalとなり、約100 kcalではありません。
- ⑵ 処方3 の酢酸リンゲル液はナトリウムイオンを約130 mEq/L 含有している。酢酸リンゲル液は細胞外液に近い組成で、ナトリウムイオンを約130 mEq/L含みます。
- ⑶ 処方1 は貧血の予防目的で処方された。処方1のビタミン配合剤はブドウ糖代謝に必要なビタミンB1などの補給が目的で、貧血予防ではありません。
- ⑷ 処方4 のセファゾリンナトリウムは手術創の緑膿菌感染の予防目的で処方された。セファゾリンは緑膿菌に無効で、ブドウ球菌などによる手術部位感染の予防に用いられます。
- ⑸ 処方1 及び処方2 のファモチジンは、手術後の侵襲ストレスによる上部消化管出血の抑制目的で処方された。ファモチジンは術後の侵襲ストレスによる上部消化管出血(ストレス潰瘍)の予防目的で投与されています。
解説
正解は⑵と⑸です。酢酸リンゲル液は細胞外液補充液で、ナトリウムイオンを約130 mEq/L含み、乳酸の代わりに酢酸を含みます。ファモチジンは手術侵襲によるストレス潰瘍や上部消化管出血を予防する目的で投与されています。10%ブドウ糖加酢酸維持液500 mLにはブドウ糖が50 g含まれ、熱量は約200 kcalです。処方1のビタミン配合剤はブドウ糖代謝に必要なビタミンB1などを補い乳酸アシドーシスを防ぐ目的で、セファゾリンは主に皮膚常在のブドウ球菌などによる手術部位感染の予防に用いられます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198925.html)を加工して作成