この患者に用いる解毒剤として適切なのはどれか。2つ選べ。
28 歳男性。勤務先のメッキ工場で、ビンに小分けしてあった液体を誤って飲用した。その直後に苦しがったため、近くにいた同僚が救急車を要請し、救急搬送された。来院時、頭痛、悪心、嘔吐及び頻脈を認めた。胃洗浄時に採取した胃内容物をシェーンバイン法により検査したところ、グアヤク試験紙が青色へ変化した。
この患者に用いる解毒剤として適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ プラリドキシムヨウ化メチル(PAM)PAMは有機リン中毒でリン酸化されたアセチルコリンエステラーゼを再賦活化する解毒剤です。
- ⑵ 硫酸アトロピン硫酸アトロピンは有機リン中毒などでムスカリン様症状を抑える解毒剤です。
- ⑶ ヒドロキソコバラミンヒドロキソコバラミンはシアンと結合してシアノコバラミンとなり、尿中に排泄させます。
- ⑷ 亜硝酸アミル亜硝酸アミルはメトヘモグロビンを生成させ、シアンを結合させてシトクロムオキシダーゼから引き離します。
- ⑸ ジメルカプロールジメルカプロールはヒ素や水銀などの重金属中毒に用いるキレート剤です。
解説
正解は⑶と⑷です。ヒドロキソコバラミンは分子中のコバルトがシアン化物イオンと結合してシアノコバラミンとなり、尿中に排泄されることで解毒します。亜硝酸アミルは吸入によりヘモグロビンをメトヘモグロビンに変え、シアンをシアンメトヘモグロビンとして結合させてシトクロムcオキシダーゼから引き離します。その後チオ硫酸ナトリウムでチオシアン酸に変えて排泄させます。PAMと硫酸アトロピンは有機リン中毒、ジメルカプロールはヒ素や水銀などの重金属中毒の解毒剤です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198925.html)を加工して作成