この患者の骨粗しょう症治療に用いる薬剤として、適切なのはどれか。2つ選べ。
85 歳男性。中等度の認知症及び高血圧症の治療中。部屋の中ではつたい歩きができるが、活動量が低下し、家に引きこもりがちである。今回、腰痛を訴え整形外科を受診したところ、骨粗しょう症と診断された。整形外科受診時の検査値、現在服用中の薬剤は以下のとおりである。なお、肝機能に異常はない。(身体所見及び検査値)骨密度65%、血圧128/80 mmHg、身長168 cm、体重62 kg、血清クレアチニン0.9 mg/dL、Ca 9.0 mg/dL(基準値8.0~10.4 mg/dL)、血清25-ヒドロキシビタミンD 8 ng/mL(20 ng/mL 以下は欠乏とみなす)(現在服用中の薬剤)ドネペジル塩酸塩錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)バルサルタン錠80 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後
この患者の骨粗しょう症治療に用いる薬剤として、適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ アレンドロン酸錠アレンドロン酸は骨吸収を抑え、骨折予防効果が確立したビスホスホネート製剤で、本患者に適しています。
- ⑵ ブシラミン錠ブシラミンは関節リウマチの治療薬で、骨粗しょう症には用いません。
- ⑶ ラロキシフェン塩酸塩錠ラロキシフェンは閉経後骨粗しょう症に用いる薬で、男性患者には適応がありません。
- ⑷ L-アスパラギン酸Ca 錠血清カルシウムは正常範囲で、活性型ビタミンD3との併用で高カルシウム血症のおそれもあり適切とはいえません。
- ⑸ エルデカルシトールカプセルエルデカルシトールは活性型ビタミンD3誘導体で、ビタミンD欠乏を伴う骨粗しょう症に適しています。
解説
正解は⑴と⑸です。この患者は骨密度が若年成人平均の65%で骨粗しょう症と診断され、血清25-ヒドロキシビタミンDが8 ng/mLと欠乏しています。骨折予防効果が確立した骨吸収抑制薬のアレンドロン酸と、ビタミンD欠乏を補い骨密度を高める活性型ビタミンD3誘導体のエルデカルシトールが適しています。ブシラミンは関節リウマチの治療薬、ラロキシフェンは閉経後女性の骨粗しょう症の薬で男性には用いません。血清カルシウムは正常範囲で、カルシウム製剤は高カルシウム血症のおそれもあり必須ではない点にも注意します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198925.html)を加工して作成