本患者が血液検査で測定した25-ヒドロキシビタミンD に含まれる25(OH)ビタ…
85 歳男性。中等度の認知症及び高血圧症の治療中。部屋の中ではつたい歩きができるが、活動量が低下し、家に引きこもりがちである。今回、腰痛を訴え整形外科を受診したところ、骨粗しょう症と診断された。整形外科受診時の検査値、現在服用中の薬剤は以下のとおりである。なお、肝機能に異常はない。(身体所見及び検査値)骨密度65%、血圧128/80 mmHg、身長168 cm、体重62 kg、血清クレアチニン0.9 mg/dL、Ca 9.0 mg/dL(基準値8.0~10.4 mg/dL)、血清25-ヒドロキシビタミンD 8 ng/mL(20 ng/mL 以下は欠乏とみなす)(現在服用中の薬剤)ドネペジル塩酸塩錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)バルサルタン錠80 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後
本患者が血液検査で測定した25-ヒドロキシビタミンD に含まれる25(OH)ビタミンD3 は、下図に示すように、プロビタミンD3 から反応A、Bを経て作られ、反応C、Dで代謝される。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。プロビタミンD3(7-デヒドロコレステロール)反応AビタミンD3(コレカルシフェロール)反応B25(OH)ビタミンD3反応C 反応D24,25(OH)2 ビタミンD3 1,25(OH)2 ビタミンD3
- ⑴ プロビタミンD3 は、生体内で合成されない。プロビタミンD3(7-デヒドロコレステロール)はコレステロールの合成経路で生体内で合成されます。
- ⑵ 紫外線を浴びた皮膚で進行する反応は、Bである。紫外線を浴びた皮膚で進行するのは反応Aで、反応Bは肝臓での25位の水酸化です。
- ⑶ 副甲状腺ホルモン(パラトルモン)によって促進される反応は、Dである。副甲状腺ホルモンは腎臓の1α-水酸化酵素を誘導し、反応Dを促進します。
- ⑷ 活性型ビタミンD3 は、25(OH)ビタミンD3 である。25(OH)ビタミンD3は貯蔵型で、活性型は1,25(OH)2ビタミンD3です。
- ⑸ 活性型ビタミンD3 は、最終的に腎臓で生成される。活性型ビタミンD3は、腎臓で1α位が水酸化されて最終的に生成されます。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶と⑸です。ビタミンD3は、コレステロールの合成経路で生じるプロビタミンD3(7-デヒドロコレステロール)が皮膚で紫外線を受けて変化し(反応A)、肝臓で25位が水酸化されて25(OH)ビタミンD3となります(反応B)。さらに腎臓の近位尿細管で1α位が水酸化されて活性型の1,25(OH)2ビタミンD3が作られ(反応D)、この反応は副甲状腺ホルモンにより促進されます。反応Cの24位の水酸化は不活性化の経路です。25(OH)ビタミンD3は貯蔵型で、体内のビタミンD量の指標に用いられます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198925.html)を加工して作成