67 歳女性。身長156 cm、体重52 kg。2 型糖尿病、持続性心房細動及び…
67 歳女性。身長156 cm、体重52 kg。2 型糖尿病、持続性心房細動及び高血圧症で自宅近くの病院に通院し、以下の薬剤を服用している。15 日前の定期受診時の血清クレアチニン値は0.92 mg/dL、eGFR 47.0 mL/min/1.73 m² であった。気温30 ℃以上の中、庭の草刈りを行っていたところ、頭痛とめまいの症状が出てきたため、今回来院した。そこで、脱水症と診断され、入院して酢酸リンゲル液を投与することとなった。(処方)メトホルミン塩酸塩錠250 mg 1 回1 錠(1 日2 錠)1 日2 回 朝夕食後 30 日分オルメサルタン口腔内崩壊錠20 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)ビソプロロールフマル酸塩錠2.5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)リバーロキサバン錠10 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)ランソプラゾール口腔内崩壊錠15 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 30 日分(来院時所見)意識は清明。体温36.8 ℃、血圧128/80 mmHg、脈拍数108 拍/分、尿量20 mL/h(検査値)赤血球数359 × 10⁴/μL、Hb 13.4 g/dL、Ht 40%、白血球数3,700/μL血小板数17 × 10⁴/μL、BUN 53 mg/dL、血清クレアチニン値1.2 mg/dLeGFR 35.1 mL/min/1.73 m²、Na 145 mEq/L、K 5.6 mEq/L、Cl 105 mEq/Lこの患者の持参薬のうち、薬剤師が入院時に服用中止を提案する薬剤として、適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ メトホルミン塩酸塩錠脱水と腎機能低下により乳酸アシドーシスのおそれがあるため、メトホルミンの中止を提案します。
- ⑵ オルメサルタン口腔内崩壊錠脱水時の腎機能悪化と高カリウム血症(K 5.6 mEq/L)を避けるため、オルメサルタンの中止を提案します。
- ⑶ ビソプロロールフマル酸塩錠脈拍数108拍/分と心房細動の心拍数調節が必要な状態で、ビソプロロールを中止する理由はありません。
- ⑷ リバーロキサバン錠心房細動の脳梗塞予防に必要で、腎機能に応じた用量(10 mg)で投与されているため中止の必要はありません。
- ⑸ ランソプラゾール口腔内崩壊錠ランソプラゾールは脱水や腎機能低下で中止を要する薬剤ではありません。
解説
正解は⑴と⑵です。この患者は脱水により尿量が減少し、BUN と血清クレアチニン値が上昇して腎機能が低下しています。メトホルミンは脱水や腎機能低下時に乳酸アシドーシスを起こすおそれがあるため、休薬を提案します。また、オルメサルタンは脱水時に腎血流をさらに低下させて腎機能を悪化させるうえ、血清 K が5.6 mEq/L と高値であり、高カリウム血症を悪化させるおそれがあるため休薬を提案します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198924.html)を加工して作成