この患者に対して、第1 週目(1 コース目)のメトトレキサートを6 時間単独静脈…
17 歳男性。病的骨折を起こして精査の中で左脛骨骨肉腫と診断された。左膝関節離断術の後、翌月からメトトレキサート12 g/m²/日、ドキソルビシン30 mg/m²/日、シスプラチン120 mg/m²/日による術後化学療法が開始された(全投与期間16 週間、9 コースから成るMAP 法)。入院時の検査値、持参した一般用医薬品は以下のとおりであった。(入院時の検査値)白血球数5,300/μL、好中球数3,000/μL、Hb 12.1 g/dL、血小板数251×10³/μL、AST 21 IU/L、ALT 22 IU/L、血清クレアチニン値0.82 mg/dL、eGFR 107 mL/min/1.73 m²(入院時に持参した一般用医薬品)ファモチジン錠、ロキソプロフェン錠、ポビドンヨードうがい薬、酸化マグネシウム錠
この患者に対して、第1 週目(1 コース目)のメトトレキサートを6 時間単独静脈内投与することになった。医療チーム内で薬剤師が確認する事項として、適切でないのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ メトトレキサート初回投与翌日より葉酸錠の内服を開始すること大量療法の救援にはホリナートカルシウムを用い、葉酸錠の内服を開始することは適切ではありません。
- ⑵ メトトレキサート初回投与終了後よりホリナートカルシウム注を静注することメトトレキサート投与後にホリナートカルシウムを投与する救援療法は必須で、確認事項として適切です。
- ⑶ メトトレキサート投与前日よりアセタゾラミド錠を内服していること尿をアルカリ化してメトトレキサートの尿中析出を防ぐため、前日からアセタゾラミドを内服するのは適切です。
- ⑷ メトトレキサート投与翌日より24 時間おきに3 日間治療薬物モニタリング(TDM)を実施すること排泄遅延を早期に見つけるため、投与後24時間ごとに血中濃度を測定するのは適切です。
- ⑸ メトトレキサート投与前日より持参したロキソプロフェン錠を使用中止することロキソプロフェンはメトトレキサートの排泄を遅らせるため、投与前から中止するのは適切です。
解説
正解は⑴です。メトトレキサート大量療法では、正常細胞を保護するため、投与開始から一定時間後に還元型葉酸であるホリナートカルシウムを投与する救援療法を行います。葉酸錠の内服は救援療法には用いず、確認事項として不適切です。また、尿のアルカリ化と大量輸液で排泄を促すため前日からアセタゾラミドなどを用い、投与後は24時間ごとに血中濃度を測定し、排泄を遅らせる NSAIDs は中止します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198924.html)を加工して作成