処方1 と2 を監査した病棟薬剤師が処方医に提案する内容として、適切なのはどれか…
68 歳男性。体重62 kg。最近動悸が激しく息切れすることもあったが放置していた。突然、左側の手足のしびれや麻痺が発現し、言葉も出てこなくなったため、家族が救急車を要請し緊急入院となり、心房細動及び心原性脳梗塞と診断された。心不全の症状はなく、その後の治療により病状が落ち着いたため退院することになった。入院中の処方1 に加え、退院時に処方2 が新たに追加されることになった。また、現在の検査値は以下のとおりである。(検査値)血圧140/88 mmHg、心拍数110 拍/分、BUN 28 mg/dL、血清クレアチニン値1.4 mg/dL、クレアチニンクリアランス42 mL/min、LDL 165 mg/dL、HDL 50 mg/dL、TG(トリグリセリド)140 mg/dL(処方1 )カルベジロール錠2.5 mg 1 回2 錠(1 日2 錠)1 日1 回 朝食後 14 日分(処方2 )エドキサバントシル酸塩水和物口腔内崩壊錠60 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 14 日分
処方1 と2 を監査した病棟薬剤師が処方医に提案する内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ カルベジロールを減量する。心拍数110拍/分と頻脈が残っており、心拍数調節のためカルベジロールを減量する理由はありません。
- ⑵ エドキサバンを減量する。クレアチニンクリアランス42 mL/min のため、エドキサバンは30 mg に減量する必要があります。
- ⑶ アスピリンを追加する。心原性脳塞栓症の予防は抗凝固薬が基本で、アスピリンの追加は出血リスクを高めるだけです。
- ⑷ アトルバスタチンを追加する。LDL 165 mg/dL と高く、脳梗塞の再発予防のためスタチンの追加が適切です。
- ⑸ クロピドグレルを追加する。クロピドグレルの追加は抗凝固薬との併用で出血リスクを高め、心原性脳塞栓症の予防としては推奨されません。
解説
正解は⑵と⑷です。エドキサバンは、体重60 kg 超でもクレアチニンクリアランスが15〜50 mL/min の場合は1日1回30 mg に減量することとされており、この患者は42 mL/min なので60 mg から減量が必要です。また、脳梗塞を起こした患者で LDL が165 mg/dL と高値であるため、再発予防としてアトルバスタチンなどのスタチンの追加を提案するのが適切です。抗血小板薬の追加は出血リスクを高めます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198924.html)を加工して作成