薬剤師と患者Aの以下の会話において、治療に対する患者の葛藤を要約している薬剤師の…
34 歳女性(患者A)。閉経前早期乳がんの患者。部分切除術後の迅速病理診断の結果によりエストロゲン受容体が陽性、プロゲステロン受容体が陰性、HER2 が陰性であった。タモキシフェンクエン酸塩の処方を検討しているため、医師から薬剤師に、患者に対する薬剤の情報提供依頼があった。
薬剤師と患者Aの以下の会話において、治療に対する患者の葛藤を要約している薬剤師のコミュニケーションはどれか。1つ選べ。薬剤師:①医師からはどの様な説明がありましたか?患者A :手術後の抗がん剤治療について薬剤師さんから説明を聞いてと言われました。薬剤師:②抗がん剤治療についてどの様にお考えですか?患者A:抗がん剤の副作用は怖いと聞いているので心配です。薬剤師:③副作用が心配なんですね。患者A :はい。実はそろそろ子どもが欲しいと思っていたので・・・この治療を受けて妊娠に影響がないのか心配です。薬剤師:④この治療が妊娠にどのような影響があるのか心配なんですね。患者A :はい。でも、もし治療をしないで再発したら家族にも迷惑をかけるので悩んでいます・・・。薬剤師 :⑤妊娠への影響も心配だけれど治療をしないで再発するのも困る、と悩まれているんですね。患者A:そうなんです。このお薬で大丈夫でしょうか?
- ⑴ ①①は医師の説明内容を尋ねる開かれた質問で、患者の葛藤を要約したものではありません。
- ⑵ ②②は患者の考えを尋ねる開かれた質問で、要約ではありません。
- ⑶ ③③は副作用への心配という一つの気持ちを反映したもので、葛藤全体の要約ではありません。
- ⑷ ④④は妊娠への心配を言い換えて返したもので、治療をしないで再発する不安は含まれていません。
- ⑸ ⑤⑤は妊娠への不安と再発への不安という相反する思いをまとめて返しており、葛藤を要約しています。
解説
正解は⑸です。⑤の「妊娠への影響も心配だけれど治療をしないで再発するのも困る、と悩まれているんですね」は、患者が話した2つの思い(妊娠への不安と再発への不安)をまとめて返しており、治療に対する葛藤を要約しています。要約は、患者が自分の気持ちを整理し、理解されていると感じる助けになります。①と②は開かれた質問、③と④は患者の言葉を繰り返して返す反映(言い換え)の技法で、葛藤全体を要約したものではありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成