右つまさきや踵に潰瘍を認め、皮膚硬化の経過が思わしくないため入院治療を開始するに…
50 歳男性。身長165 cm、体重65 kg。膠原病として全身性強皮症と診断され、以下の処方で加療中である。(処方)プレドニゾロン錠5 mg 1 回4 錠(1 日4 錠)1 日1 回 朝食後 21 日分シロスタゾール口腔内崩壊錠50 mg 1 回1 錠(1 日2 錠)1 日2 回 朝夕食後 21 日分ベラプロストナトリウム錠20 μg 1 回2 錠(1 日6 錠)1 日3 回 朝昼夕食後 21 日分
右つまさきや踵に潰瘍を認め、皮膚硬化の経過が思わしくないため入院治療を開始するにあたり、シクロホスファミドを処方することになったと医師より連絡があった。薬剤師が医師に対して提案する内容として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ プレドニゾロン錠の減量・中止中等量以上のステロイドは強皮症腎クリーゼの危険因子のため、シクロホスファミド導入に合わせて減量・中止を提案します。
- ⑵ プレドニゾロン錠の増量プレドニゾロンの増量は強皮症腎クリーゼや感染症のリスクを高めるため不適切です。
- ⑶ シロスタゾール口腔内崩壊錠の増量シロスタゾールの増量は今回のシクロホスファミド導入に伴う提案として優先度が低く、頭痛や頻脈の副作用も増えます。
- ⑷ シロスタゾール口腔内崩壊錠の減量・中止潰瘍があり末梢循環の改善が必要なため、シロスタゾールを減量・中止する理由はありません。
- ⑸ ベラプロストナトリウム錠の増量ベラプロストは常用量で処方されており、シクロホスファミド導入にあたって増量を提案する根拠はありません。
解説
正解は⑴です。全身性強皮症では、プレドニゾロン換算で1日15 mg以上などの中等量以上の副腎皮質ステロイドが、急激な高血圧と腎不全をきたす強皮症腎クリーゼの危険因子となります。この患者はプレドニゾロン20 mg/日を服用しており、シクロホスファミドによる免疫抑制療法を始めるにあたっては、ステロイドの減量・中止を提案するのが最も適切です。プレドニゾロンの増量は腎クリーゼや感染のリスクを高め、抗血小板薬の調整は今回の主な論点ではありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成