強皮症の治療には毛細血管閉塞の改善を目的として抗血小板薬が用いられる。処方薬の中…
50 歳男性。身長165 cm、体重65 kg。膠原病として全身性強皮症と診断され、以下の処方で加療中である。(処方)プレドニゾロン錠5 mg 1 回4 錠(1 日4 錠)1 日1 回 朝食後 21 日分シロスタゾール口腔内崩壊錠50 mg 1 回1 錠(1 日2 錠)1 日2 回 朝夕食後 21 日分ベラプロストナトリウム錠20 μg 1 回2 錠(1 日6 錠)1 日3 回 朝昼夕食後 21 日分
強皮症の治療には毛細血管閉塞の改善を目的として抗血小板薬が用いられる。処方薬の中で、抗血小板作用を示す薬物の機序として正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ トロンボキサン(TX)合成酵素を選択的に阻害することにより、TXA2 の産生を阻害する。トロンボキサン合成酵素の選択的阻害はオザグレルの作用で、処方薬には含まれません。
- ⑵ プロスタノイドIP 受容体を刺激して、血小板内のサイクリックAMP(cAMP)産生を増加させる。ベラプロストはIP受容体を刺激して、血小板内のcAMPを増加させます。
- ⑶ ホスホジエステラーゼⅢを選択的に阻害して、血小板内のcAMP を増加させる。シロスタゾールはPDEⅢを選択的に阻害して、血小板内のcAMPを増加させます。
- ⑷ セロトニン5-HT2 受容体を遮断することにより、血小板内Ca²⁺ 濃度の上昇を抑制する。5-HT2受容体の遮断はサルポグレラートの作用で、処方薬には含まれません。
- ⑸ ADP 受容体のサブタイプであるP2Y12 受容体を遮断することにより、血小板内のcAMP の減少を抑制する。P2Y12受容体の遮断はクロピドグレルなどの作用で、処方薬には含まれません。
解説
正解は⑵と⑶です。処方薬のうち抗血小板作用を示すのはベラプロストとシロスタゾールです。ベラプロストはプロスタサイクリン誘導体で、プロスタノイドIP受容体を刺激してアデニル酸シクラーゼを活性化し、血小板内のcAMPを増やします。シロスタゾールはホスホジエステラーゼⅢを選択的に阻害してcAMPの分解を抑えます。トロンボキサン合成酵素の阻害はオザグレル、5-HT2受容体遮断はサルポグレラート、P2Y12遮断はクロピドグレルなどの作用です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成