処方2 の追加にあたり、医師からかかりつけ薬剤師に処方薬について相談があった。医…
87 歳男性。3 年前に脳出血で治療歴あり。認知症はないが、以前から、高血圧、排尿障害、心房細動の治療を受けている(処方1 )。検査値は、Na 143 mEq/L、K 3 .4 mEq/L、eGFR 33 .8 mL/min/1 .73 m²、ALP 357 IU/L、AST 16 IU/L、ALT 15 IU/L である。(処方1 )エドキサバントシル酸塩水和物錠15 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 28 日分ジスチグミン臭化物錠5 mg 1 回0.5 錠(1 日1 錠)1 日2 回 朝夕食前 28 日分ウラピジルカプセル15 mg 1 回1 カプセル(1 日2 カプセル)1 日2 回 朝夕食後 28 日分最近、脳出血の後遺症と疑われる遅発性のてんかんと診断され、処方2 が追加された。(処方2 )バルプロ酸ナトリウム徐放錠100 mg 1 回1 錠(1 日2 錠)1 日2 回 朝夕食後 28 日分
処方2 の追加にあたり、医師からかかりつけ薬剤師に処方薬について相談があった。医師への提案として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ エドキサバントシル酸塩水和物錠の中止エドキサバンは心房細動による脳卒中予防に必要で、高齢・腎機能低下を考慮した用量であり、中止する理由はありません。
- ⑵ ジスチグミン臭化物錠の減量ジスチグミンは排尿障害の治療に用いられており、バルプロ酸の追加で減量が必要になるわけではありません。
- ⑶ ウラピジルカプセルの中止ウラピジルは高血圧と排尿障害に用いるα1遮断薬で、バルプロ酸の追加を理由に中止する必要はありません。
- ⑷ バルプロ酸ナトリウム徐放錠投与開始後の治療薬物モニタリング(TDM)の実施高齢者ではバルプロ酸の遊離形濃度が変動しやすいため、投与開始後にTDMで血中濃度を確認するのが適切です。
- ⑸ 改訂長谷川式簡易知能評価スケールを用いた評価の実施この患者に認知症はなく、改訂長谷川式簡易知能評価スケールによる評価は今回の相談内容と関係ありません。
解説
正解は⑷です。バルプロ酸は有効血中濃度の範囲が定まっており、高齢者では血漿タンパク結合率の低下や代謝能の変化により、遊離形濃度が上がって効果や副作用が予測しにくくなります。徐放錠で開始する際には、治療薬物モニタリングで血中濃度を確認しながら用量を調整することが最も適切な提案です。エドキサバンは心房細動と高齢・腎機能を考慮した15 mgで妥当で、ジスチグミンとウラピジルは排尿障害の治療薬です。認知症もありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成