本症例にフィルグラスチムが処方された際の注意点として正しいのはどれか。2つ選べ。
65 歳男性。身長170 cm、体重65 kg。eGFR は42 mL/min/1.73 m² である。悪性リンパ腫のため、R-CHOP 療法(リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾロン)の1 コース目を施行したところ、7 日後に38 ℃の発熱がみられた。その際の検査値は次のとおりであった。赤血球数350 × 10⁴/μL、Hb 11.2 g/dL、Ht 32%、白血球数480/μL(好中球63%、好酸球6 %、好塩基球2 %、単球14%、リンパ球15%)、血小板数9.8 × 10⁴/μL、CRP 5.0 mg/dLそこで、主治医は2 コース目のR-CHOP 療法を施行するにあたり、1 コース目と同じ症状が現れた際に、フィルグラスチムを併用することを検討している。
本症例にフィルグラスチムが処方された際の注意点として正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ R-CHOP 療法施行の前日に、1 日1 回皮下注する。化学療法の前日に投与すると、増殖した骨髄細胞が抗がん薬の影響を受けやすくなるため、施行前の投与は避けます。
- ⑵ R-CHOP 療法施行の翌日以降、1 回24 時間の持続静注を開始する。フィルグラスチムは通常、皮下注射または静脈内投与で1日1回用いるもので、24時間持続静注は一般的ではありません。
- ⑶ R-CHOP 療法施行の翌日以降、1 日1 回皮下注を開始する。化学療法の翌日以降に、1日1回皮下注射で投与を開始します。
- ⑷ 副作用として骨痛や腰痛等が現れた場合は、非麻薬性鎮痛薬を投与する。骨痛や腰痛などが現れた場合は、非麻薬性鎮痛薬を投与して対応します。
- ⑸ 本症例は腎機能が低下しているため、投与量を減量する必要がある。フィルグラスチムは腎機能に応じた減量の必要がない薬です。
解説
正解は⑶と⑷です。がん化学療法による好中球減少症に対しては、フィルグラスチムを化学療法の翌日以降に1日1回皮下注射で開始します。化学療法の前日や同日に投与すると、増殖を始めた骨髄細胞が抗がん薬の影響を受けやすくなるため避けます。副作用として骨痛や腰痛が現れることがあり、その場合は非麻薬性鎮痛薬で対応します。フィルグラスチムは腎機能による用量調節の必要はなく、通常は持続静注で用いる薬でもありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成