この分析に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
米国食品医薬品局より、ある医薬品の原薬から微量の N-ニトロソジメチルアミン(NDMA、下図)が検出されたとの発表があった。NDMA は発がん性が報告されており、薬物の原薬に混入したり製造工程で生成される可能性がある。そこで、品質管理に携わっている製薬企業の薬剤師は、ガスクロマトグラフィー/質量分析計(GC/MS)を用いて自社製品中のNDMA の混入を調べることにした。H3CN ― NOH3C
この分析に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ 移動相(キャリヤーガス)として酸素や二酸化炭素が用いられる。キャリヤーガスにはヘリウムや窒素などの不活性ガスを用い、酸素や二酸化炭素は用いないため誤りです。
- ⑵ キャピラリーカラムを用いることが可能である。GCでは分離能の高いキャピラリーカラムを用いることができ、正しい記述です。
- ⑶ MS におけるイオン化法として、主に電子イオン化(EI)あるいは化学イオン化(CI)が用いられる。GC/MSのイオン化法には主に電子イオン化(EI)や化学イオン化(CI)が用いられ、正しい記述です。
- ⑷ MS 以外に水素炎イオン化検出器(FID)を用いてNDMA を検出することも可能である。NDMAは炭素と水素を含む有機化合物なので、FIDでも検出でき、正しい記述です。
- ⑸ GC/MS 以外にHPLC/MS を用いることも可能である。NDMAの分析にはHPLC/MSを用いることも可能で、正しい記述です。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴です。ガスクロマトグラフィーの移動相(キャリヤーガス)には、試料と反応せず検出を妨げないヘリウム、窒素、水素などの不活性なガスが用いられます。酸素は試料やカラムの固定相を酸化させ、二酸化炭素も一般に用いられないため誤りです。GCではキャピラリーカラムが使え、MSのイオン化には電子イオン化や化学イオン化が用いられます。NDMAは炭素を含むのでFIDでも検出でき、HPLC/MSによる分析も可能です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成