発がん物質の代謝活性化に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
発がん物質の代謝活性化に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ o-トルイジンは、シトクロムP450 によりヒドロキシルアミン体となり、さらにアセチル化反応により活性化される。芳香族アミンはP450でN-水酸化され、さらにアセチル化などのエステル化を受けて活性化されます。
- ⑵ サイカシンは、ベンジルアルコール型代謝物のエステルに活性化される。サイカシンは腸内細菌のβ-グルコシダーゼで糖が外れ、メチルアゾキシメタノールを経て活性化されます。
- ⑶ スチレンは、シトクロムP450 によりスチレンオキシドに活性化される。スチレンはシトクロムP450によりエポキシ化され、スチレンオキシドとなって活性化されます。
- ⑷ ビス(クロロメチル)エーテルは、グルタチオン抱合により活性化される。ビス(クロロメチル)エーテルは代謝による活性化を必要としない直接発がん物質です。
- ⑸ ナイトロジェンマスタードは、酸化的代謝反応で生じるアルキルジアゾヒドロキシドに活性化される。ナイトロジェンマスタードは自らアジリジニウムイオンを生じる直接発がん物質です。アルキルジアゾヒドロキシドはニトロソアミンの活性体です。
解説
正解は⑴と⑶です。o-トルイジンなどの芳香族アミンは、シトクロムP450でN-水酸化されてヒドロキシルアミン体となり、さらにN-アセチル化やO-アセチル化などで活性化されてDNAと結合します。スチレンはP450でエポキシ化されて反応性の高いスチレンオキシドになります。サイカシンは腸内細菌のβ-グルコシダーゼで加水分解されて活性化されます。ビス(クロロメチル)エーテルとナイトロジェンマスタードは代謝を必要としない直接発がん物質です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成